「 2008年09月 」一覧

暖房開始!!去年より4日早いぞ。

今日の寺泊の朝の気温は14度。とうとう我慢できずに暖房ON。ブログの記録によると去年は10月1日に暖房ONなので4日早い。そういえば去年も外気温 14度のときに暖房したということが書かれている。つまり来年も14度くらいで暖房ONとなるのだろう。リビングは暖房なしでも22度くらいあるのだが、 1階のトイレや玄関は20度前後。5日前まで冷房するくらい暑かったのにこの差が「20度」をより寒く感じさせるのだろう。冬の20度は温かく感じるのに人間の感覚は不思議である。

灯油の請求書がきた。なんとリッターあたり124円!w(゚o゚)w   ┐(´д`)┌
去年よりさらに上がりさらにびっくり!!拙宅ではお湯は石油給湯器で造る。これは18年前、石油給湯が一番安価であったため。寺泊のガスは都市ガスは来ていないのでプロパン。当時はプロパンが一番高かったが、今でだとプロパンのほうが安い。さて、給湯機もそろそろ寿命であると思うが、なににするか?もちろんエコキュートが一番ランニングコストは安価だろうが、・・・なにしろここは、海の真ん前。エアコンの室外機は7~8年もたない。さびて外箱が崩壊する地域。85万も設置費がかかるエコキュートで、7~8年(普通の地域は15年以上は大丈夫だろうが)だと、1か月1万が償却費となる。これでは・・・大変つらい。石油給湯器やガス給湯器は室内設置できるのでやはり15年以上は大丈夫。ガス給湯器は設置費用は20万あれば大丈夫。すると月1千円が償却費。その差は9千円。どんなに使っても平均9千円を給湯に使うことはないと思う。するとガス給湯器が良いかな?(^-^;

ここから先は9月30日に追記

灯油価格 124円/L・・・61W/円(1L・・・8900Kcalとして *効率0.75)

プロパンガス 550円/m3・・・37W/円(1m3・・・・24000Kcal として *効率0.75)

エネルギーあたり灯油が安い。さて石油給湯器の価格も20万弱。

ということはやはり現在も石油給湯器ですね。プロパンガスは競争市場ではなので高値安定傾向があります。


「断熱区画」のシュミレーションが今年の建築学会で発表された。

三井ホームの坂部氏と北海道立北方建築総合研究所のチームが「部分断熱区画導入による住宅公団熱か手法の基礎研究」という論文を今年の学会で発表した。内容は、シュミレーションではあるが内部発熱の多い生活部分と、生活時間が短い部分を分けると効果的に家電から内部発熱が使えるとなっており、まったく同感。そのときの暖房負荷はおおよそ3割少なくなる。懸念される非暖房室での結露についてはまだ結論はないらしい。このシミュレーションは、普通の生活パターン。もっと週末しか使わない部屋とかを区画する条件時シミュレーションは差がつくだろう。(詳しい内容はご本人かこちらにお問い合わせください)

当事務所では、数年前から住宅における断熱区画をご提案している。特に最近は当HPでもその提案を明確にしている。そもそも断熱区画は、拙宅で12年前に行われている。拙宅は、前にもこのブログで紹介しているとおり、資金がなかったため最初は24坪だった。それを8坪増築したため、この8坪と前からある24坪部分がそのまま断熱区画となった。使ってみるといい感じで、普段は24坪の空間でOK。8坪部分は温度を下げて暖房するか、OFF状態。予めお客様がいらっしゃるとわかっている時は、前日から20度から22度に温度を上げ使う。無駄な光熱費をカットできる。「何だ普通の家もそうしているよ」とおっしゃる方もいらっしゃるが、この方法はしっかりと断熱区画した家でないと、結露を引き起こしてしまうので・・・。もともと高気密高断熱住宅は、家中暖房が条件で造られている。部分居室暖房は、国のマニュアルにも想定されていない。(多くの実際の住宅では、部分居室暖房が一般的という矛盾がある)

ご存知のとおり、新潟県で郊外の家は、今でも二間続き(和室8帖と8帖がくっついているような客間。ハレのときに使い、普段は誰も使わない)の要望が多い。このときにこの断熱区画は非常に無駄がない。2年前の「黒の平屋60坪」では、暖房費が厳寒期で月1万ちょっと(24時間家中暖房)という実績結果がある。この家には三間続き部屋があるが、ここは普段暖房しない区画。だからこのコストで快適さが得られる。

図は2008年建築学会梗概集「部分断熱区画導入による住宅公団熱か手法の基礎研究」坂部芳平氏ら から抜粋


太陽光発電パネル設置とペイ期間について。

ここ数年、大手ハウスメーカーの営業攻勢によって太陽光発電パネルの認知度が大変高まったが、「光熱費ゼロ」などと大々的に広告するので大きな誤解も生まれた。光熱費がゼロとなるのは、25年以上経ってから。25年間は、光熱費をまとめて新築時に払っていると考えたほうが正しい。それは・・・

太陽光発電パネルの設置費は1kwあたり70万位。標準的な3kw設置だとおおよそ210万円の設置費用となる。これを回収出来るのは、25年から30年となる。それは・・・

新潟県での太陽光パネル3kwの発電された電力を現在の買取金額にすると年約7万分。単純に設置した費用210万を7万で割ると=30年。そこに、現在の補助金で一番高額なNEDOのシステムと組み合わせたときのもらえる額は、実質70万。すると210万-70万=140万が実際の設置費用。だから 140万/7万=20年。しかし運よく太陽光発電パネルが壊れなくても、インバーター変換機の寿命は10年だから2回は交換すると20万かかる。また、発電効率は表面のガラスの汚れで著しく落ちるので90%の発電効率とすると、(140万+20万)/(7×0.9)=25.3年となる。

したがって、実際は25.3年経ってから初めて利益を生むので、25年から光熱費が7万で済む住宅であれば光熱費ゼロとなる。しかもこれは補助金を70万もらったとき。もらわなければさらに10年間かかり、35年目で初めて元が取れる。だから太陽光パネルの設置の動機は、「化石燃料の負荷低減のためあえて高価な機器の導入した」という高い意識感である。あとは25年間太陽光パネルが壊れずにしっかりと働いてくれるように神様にお祈りすることが重要。

緑の家でも太陽光発電はお勧めしたいが、決して最優先ではない。というのは、上の理由のとおりである。こういう置き型設備は後工事でも問題ない。最先端技術はあるとき急激に価格下がることがある。その時に設置してもまったく問題ないが、家の構造はそうは行かない。しっかりと今、断熱気密の高い家を造っておかないと、後では非常に工事が厄介になる。だからお勧めする優先順位は最優先ではない(気持ちは最優先にしたい・・・)。

ちなみに太陽光発電のことについては、実際設置され、かつ科学的経済的にも分析しているこのサイトがとてもわかりやすい。そこには、日本の今の太陽光発電パネル設置政策は、「国民よ、損を承知で投資せよ!とか「おだてて屋根に上らせ、そのあと梯子をはずす」と皮肉っている。これは現在の太陽光発電によって作られた電力の買い取り価格は、数年前成立した現在の法律のままだと将来半額以下(24円/kw→11円/kw)になる。すると回収年月がさらに倍になり50年間は回収無理ということも考えれる。

現在、設置を計画している建て主さんもいらっしゃる。是非(電力会社保護のような)法律の改正を望む(ドイツのように倍くらいで電力を買い取るような改正を!!そうなると相当設置を考える人が増えるはず)。


なちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊 その3

昨日無事になちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊を終了しました。お越しいただきました皆様には感謝しております。(私は直接の関係者ではありませんが)特に二日目は雨の為、会場が港公園から長岡寺泊青少年センターに変更になり、足もとの悪い中にわざわざ訪ねて頂いたお気持ちには、熱いものを感じます。
初日の公園のショットを何点かアップします。本当は、もっと素敵なショップやブースが沢山あったのですが、写真のブログアップ許可を得ていないので差し障りのないもののみアップします。当日の港公園の会場は、まさしくゆるりと時間が流れていくそんな感じです。ブラッッドカルチャーの民族太鼓が深く丹田に 
響く中、子供たちの笑い声や、親御さんの細めた眼が、海風に乗って揺らめいておりました。19時30分からのファイアーポイは、その始まりまでゆっくりとしかし確実に太鼓がだんだん大きく腹に心に期待感を与え、最高潮にまでもっていく時間が30分くらいある事は、普段感じられないゆっくりとしたそして興奮するとっても素晴らしいひと時でした。

ありがとう!!!  合掌


なちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊 その2

今日は「なちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊」の日です。晴れて海も煌めいて、遠くでブイが波にゆられるたびきらっと光り
ます。そんな中、出店業者も26店舗となり少し規模が膨らんだようです。是非お遊びにきて頂ければ、ゆっくりとした時間を提供できると思います。この写真は今朝の海です。http://naturallifefestival.blog.drecom.jp/


家の地盤改良の説明(メリット、デメリット)は受けましたか?

この写真は、現在の当事務所の前の風景である。大きな重機が入ってこれからビルの杭を打つのではないかと思う風景。しかしこれはれっきとした解体風景なのだ。既に建物本体は綺麗に片付いている。しかし何でこんなに大きい重機があるのかというと・・・

そう、地中にある杭を抜き取る作業をしているのである。直径600φ位のコンクリートの杭が地中8mくらい迄埋まっているので、それを引き抜く作業をしている。これは2階建ての事務所の解体風景である。しかし最近は住宅でも地盤改良が増え下の写真のようなコンクリート杭が埋められる「柱状改良」が多く施工される。柱状改良は軟弱地盤には優れた改良方法であるが、撤去時に結構大掛かりな機器が必要。なぜ撤去が必要かというと、不動産の取引の法律が数年前に改定され、地中内に工作物(杭など)があってそれを告知せずに売買した場合、売主が撤去費用を負担することになったから。だからこの現場では、撤去してから売買しようとしている。

そこで家造りで重要なことは、仮に柱状改良が必要だったとき、他にも改良の選択肢はあることや、撤去時の費用がかかることを、説明を受けたかが大事。柱状改良は他の改良方法(砂利で柱状形成する方法や、軽量材で土に置き換えて改良する方法が撤去時コストがかからない)よりイニシャルコストがかからないので、建設業者はこれを進めることが多い。納得して施工すれば後悔はないと思うが、説明がないままということはあまりよくないから。

写真は地中から引き出されたコンクリートの杭。引き上げたら砕いてダンプで処理工場へ。


WindowsのVISTAにしました。その2 と米問題など

私のPCはWin_Vistaになったことは先回お伝えした。その後運用していると様々な不具合、不都合がおき、やはりVistaはだめか?という感じになっている。せっかく4Gの高価メモリーも買ったのにいまさら6年も前のXPにしなければならないか?

そこで数年前から話題になっているバーチャルソフトでVista上で使い慣れたWin2000を動かすことにしてみる。Vistaで動かないものをWin2000上で動かせば、とりあえず2台のパソコンを起動しなくてもよいだろう。少しの間このバーチャルで試してみよう。

・ もういやというほど多くの報道がされている、「事故米偽装」。ずいぶん前から、一般に販売されている「当年度コシヒカリ100%商品でも、ほとんど古米が混じっている。」といううわさが多く聞かれる。DNA検査や厳密に検査しないといつ収穫米かはわからないそうだ。だから横行している米偽装。その行き着いたところが今回の事故米偽装となったのではないか?いったい日本人はどうなってしまったのか?昔はまじめで几帳面さが世界の人から絶賛されたことのある民族性。そうでなくとも約束を守ることが法治国家の基本であるはず。一人のヒトだけが関わった「うそ」と違い多くのヒトが、うそとわかって販売した形跡がある。何かがおかしい。昨日事務所に折込チラシが入っていた。中堅建設会社のチラシだが、ロフトが標準でつくらしい。ロフトが直下の床面積の1/8以上であると、耐震壁の割り増しが法律で決めrられている。本当に守っていいるのだろうか?このような安全性に関わる重要な瑕疵であると、10年を超えて損害を請求できる可能性がある。数年後また建築業界に「偽装」という激震報道がON_AIRされなければいいが・・・。


拙宅のダイニングにて

今日は敬老の日。朝の空気はひんやりして秋を感じる(でも窓は全閉で24h_AC状態)。拙宅の小さな屋上菜園は、今ジャングル状態。イモやカボチャ、豆などが先を争うように伸びようとしている。

2階のダイニングテーブルに座ってお茶を頂きながら、ふとみるとすぐ真近くに、この豊かな実り。屋上菜園の不思議さ。リスクとは背中あわせだけれど、お勧めしたいそんな空間。


なちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊

寺泊みなと公園で「なちゅなるらいふ ふぇすてぃばる in 寺泊」が9月20日、21日に行われます。今日のラジオ(BSN)でも朝8時45分頃10分間くらい説明しておりました。とても楽しみで私も行こうかなと思っております。詳しくはhttp://naturallifefestival.blog.drecom.jp/です。

今回の催しには私の妻も「小さな星の会」で出店します。主に「手仕事でゆっくりらっくりとした時を大人も子供もすごす」事を体験していただけたらな~。とのことと聞いております。

会場の寺泊みなと公園は私のホームグランドで自転車でよく行きます。海風があり夏でも涼しく、また海岸近くなのにしっかりと緑があるのが◎です。目の前には大きな海とどこまでも続くような砂浜。また隣には寺泊漁港があり、この付近でファミリー釣りができます。今の時分であれば「サヨリ」、「アジ」の子供が入れ食いになることもあります。また近くの新島崎川河口では「ハゼ」がよく釣れる場所です。時間があれば(なくとも)お越し下さい。


ようやくWindowsのVISTAにしました。

事務所にはWindows系8台のパソコンがあるが、内2台がXP、2000が5台、98(なんと古い)が1台。私のCAD用パソコンは2000であり、数年間もよく働いてくれている。しかし1カ月まえからフリーズをよく起こし始めた1日何度も立ち上げなおし、だましだまし使っていた。

もう一度OSからクリーンインストールすれば直る可能はある。けれど、トリプル画面のドライバーがうまく入らないと、ブルーバックや、真っ黒な画面となる。(2000ではまだマルチディスプレイが安定していない)4、5年前なら何とかセットアップしたが、その気力はもうない。そこで新しくPCの新調となる。通常はメーカー製パソコンを購入したほうが、安く、安定し、サポートもある。しかし私はどうしても自分用にカスタマイズしたい(一応デザイナーですから・・・)ので久しぶりに新しいパソコンをセットアップした。

CPUは数年前はAMD系が性能が優れていたのでAthionだった。今回は消費電力が少なく性能の高いINTELにした。最近の流行はQuad(4個のコアで構成されるCPU)だけれども、私のCADソフトはシングルコアのCPUでしか使ってくれないので、Duo(デュアルコアのCPU)で周波数の高いもの(3.2GHzをチョイス・・・ってどんな周波数?)をチョイスした。 ビデオカードはチップセット内蔵は使用せず、PCI-Eカードを2枚新たに購入し使いトリプルディスプレイとした。そのディスプレイは、数年前から使っているナナオの17インチIPSの液晶。やはり古くてもナナオの発色、見え方に慣れているため。ナナオは高くてもよいディスプレイと改めて感じる。

さて、肝心のOSだが、これは互換性においてXP-Proが評判よいのだが、まあ新しい物好きなので、やはりVISTAの64ビット版とした。なんといってもエアロや4G以上のメモリー(同時にCADや、フォトショップ、IEなどを使うとすぐに2G使用する。ここにエアロを使うとあっという間意32ビット上限の3.5GMAX状態)を乗せたかったので、だめもとで購入した。皆様ご指摘のとおり、半分くらいのソフトは×。またプリンターも半分くらいはドライバーがVISTAや64ビットに対応しておらずだめ。・・・残念。まあしかしCADは何とか動くみたい(サポートはない)だし、構造ソフト、メイル、IEや画像ソフトは動くのでよしとしよう。動かないソフトは「アクロバット」、「B’sレコーダー8」、「TV視聴ソフト」、と後はユーティリティーソフト全部(引越しソフトや、バックアップソフト)。ユーティリティーソフトは痛い。

HPの大型A1プリンターはVISTA未対応で動かない。(HPさん何とかしてよ。25万もするプリンターはそうそう買い替えできないよ)が、A2プリンターは64ビットのドライバーをサポートしているので(エプソンさん偉い)何とか業務に支障は出ないだろう。・・・と思う。しかし事務所の本命はこれからもVISTAではなく互換性が高いXPでしょうな。


IHコンロとガスコンロ。どっちが水蒸気が多くでるの?答えは大体同じくらい。

赤字は2008年11月8日に加筆、訂正

最近は、2軒に1軒の割合でIHコンロを計画する。ご存知のとおり、IHコンロは、電気を熱にしてなべを温めるのではなく、電磁波としてなべ本体の金属原子を振るわせ温める(なべ型電子レンジと思えばよい)。だから炎はないし、コンロ自体に熱は発生しない。一方昔からなじみのあるガスコンロは、ガスを燃焼し炎としてなべに熱を与える。無論ガスが燃焼すると水蒸気と二酸化炭素とその他微量のガスが発生する。IHは電磁波なので何も発生しない。だからガスコンロで調理するとIHで調理した時と比べ、水蒸気の発生が多くなるとずーと思い込んできた。

ところが今日、日本空気調和衛生工学会の2008年NO.138の技術論文(第三者によって審査された論文)には、IH料理の方がガス料理で行った時よりトータルで水蒸気が多いという結果があった。両方とも同じ料理で・・・。つまりガス料理は、ガス自体の燃焼による水蒸気発生があっても、料理からは水蒸気の発生が少なくなって、トータルでもIHの方が料理作業における水蒸気発生量が多くなるらしい(代表料理3種)。一日のメニュウであってもほぼ同じくらいか少なくなる(グリル構造が違うが・・・)。

凄い結果!!。

当事務所では、好んでIHコンロをお奨めした事は今までない。しかしIHコンロのメリットは?と聞かれた時には、1.掃除が楽 2.空気を汚さない 3.安全性がガスより少し高い と答えてきた。その2.空気を汚さないということが半分当てはまらなくなった。空気を汚さないという事は、燃焼がないので酸素を使わないということと、水蒸気と二酸化炭素を出さないということで説明してきた。水蒸気は料理からたくさん出るのですね。なぜガスで料理した時よりかなりたくさん出るという事は、書かれてなかった(と思う)。

この論文発表者は、ガス会社勤務の方であるので、もしかしたらガスが有利な条件が入っているのかもとも考えたが、査読された論文なので(査読はされいない論文でした)そう大きな偏る条件はないと思う。恩師の先生に伺って見ると、「ガスが有利という条件はないと考えるが、論文に記述でははっきりとしていない部分が多すぎる」とのこと。

また、グラフには一次エネルギー消費というグラフもある。一次エネルギーとは、元になったエネルギーのこと。ガスであれば、直接化石採掘エネルギーなのでこのまま。電気は、火力発電所や原発から作られるので、そこに投入されたエネルギーで換算。例えば火力発電なら、重油を燃焼させ電気を作る効率が0.45。送電ロスが0.05で合わせて0.4という効率で換算しなければならない。一次エネルギーの比較でも、ガスが少なく効率が良い。こちらは少し前から業界では良く知られた話である。

昨日の常識は今日の非常識という言葉がちらついた。研究者は面白いでしょうね。下の表と図は上の論文から出展。実はこの図3がガスの燃焼時の水蒸気が入っているかどうかが明記されていない。このため図3は鵜呑みにできない。


自然素材と住宅、そして新潟での性能(設計 評価)

オーブルデザインでは、自然素材(天然素材)と性能の高い住宅を11年前からお奨めしていた。特に性能の内容は、安全性の要「耐震性」と快適性の要「高断熱高気密の性能」、長持ち住宅を示す「耐久性=劣化対策と維持管理対策」の3つが最重要である。

耐震性は、住宅性能表示で定める「等級2」が「緑の家」の最低基準としている。巷の他メーカー住宅は、以前のブログでお伝えしたとおりほとんど等級2を取ることは難しい基礎形態。「この建物は地震に強い」と口ではなんとも言えるのだろうけれど、この住宅性能評価ではごまかしは聞かない。そんな重要な住宅性能評価であるが、その新潟県での審査機関の最大手(県内ではほとんどの木造軸組み住宅がここに申請する)の窓口担当者は、なんとこの制度が始まってから数件しか申請がないと言っていた。※当事務所はたて続けに2棟申請し、当然のことながら構造の変更無しに「等級2」の評価頂いた。ちなみに等級2とは、「数百年に一度、極めて稀に発生する地震力の1.25倍によって、倒壊、崩壊しない程度」であるから、中越地震より大きい地震(震度7)が来ても倒壊しないことを指す。

快適性の指標となる高気密高断熱も、Q値2.0W/Km2と最高基準の「等級4」の更に25%も良い性能のお墨付きを頂いた。まあこれは当たり前。

耐久性は「劣化防止対策」と「維持管理対策」に分けられるが、いずれも「緑の家」の標準仕様で最高等級の「等級3」の評価を頂いた。この等級3は、3世代(90年)までは簡単な通常メンテナンスで維持可能という評価である。また、寿命が50年以下である建物配管類が、簡単に維持管理できるという評価。例えば配管類が床下で全て露出し、基礎内(下)に埋め込まれないなど。

ここで重要な事は、性能評価に申請した家が、いつもの「緑の家」であって特別な仕様ではないこと。←ここがポイント

最近は自然素材が流行しており、ネコも杓子も天然素材や自然素材を提案している。無論「緑の家」も多くの天然素材で造られるが、かといって他の性能が間引かれているわけではない。何事も先ずはバランス重視で、仮に家造りの重要性の順番をつけるなら、「耐震性」→「耐久性」→「快適性(高気密高断熱と天然素材)とコスト」の順番だろうと思う。やはりどんな建物でも安全性が一番重要。

※・・・耐震等級2で許容応力度による審査申請。

私の解釈であるが、設計の性能評価を受けると、仮に地震に強いと宣伝していたのに、耐震性の評価が「評価1」であると大変な問題となるのがわかっているため。また建て主さん側も、この工務店の社長さんが「地震に強い」と言っているのだから間違いないだろうと、良い方向に考えてしまうため。オーブルデザインでは年間10棟程度。しかし中規模以上の工務店さんは数多くの建物を建てるだろう。その中で年間にひとつ位は、性能評価を受けてもよさそうな気がする。