先回は長期優良住宅先進的モデル事業の補助金申請をしたが、採択されなかったとご報告した。最大で一物件200万になる事業で、昨年度は総額140億円の予算がつき、一計画で数億円にもなり住宅業界への天く ・・・略・・・ かどうか不明だが、採択されたのがほとんど大手メーカー(審査は非公開)。
これに「問題あり」という声があがる前に、今年度の補正で数十億円の予算をつけ、中小工務店限定で100万/件の補助金が出ることになった。この中小工務店限定にしても大手ハウスメーカーから何も文句がないのは、すでに長期優良住宅先進的モデル事業で巨額の補助金を手にしているからに他ならない。私はこの記事を見たときはっきりと確信した。政治力がある大手ハウスメーカーが「中小」に限定して補助金を出すことに何も言わないという事が信じられない。そう考えないと説明つかないから。
ということで、私は採択漏れをしたので堂々?とこの補助金を使いたい。といってもともと「緑の家」は標準仕様で長期優良住宅に合致する技術基準なので何もすることがない。あるとすれば、履歴の完備くらい。しかし、普通の工務店、施工会社さんは相当大変なはず。性能表示を過去申請した事があるならまだしも、昨年もブログでお伝えしたとおり、県内ではほとんど性能表示申請はない。仮に申請してあるとしても、耐震等級2以上は結構厳しい。これは木造部分ではなく、基礎が今までとちがうから。新潟県のほとんどの住宅の基礎立ち上がりは600mm。これでは等級2は取れない。最低750mm以上で、もし基礎がべた基礎の場合は、ほとんど構造計算によってスラブ配筋、たて上がり部分の主筋、そして区画を造る為の地中梁がいる。今まで「地震に強い家」といって宣伝してきた施工店や建設会社が、急に基礎の仕様を変えたら要注意!!今まで言っていた「地震に強い家」は嘘で、「地震に強いと思い込んでいた家」に変えなければならない。そうでなければここ数年でその会社から「地震に強い家として」建てて頂いた施主さんは納得しないだろう。
このように「口ではいくらでも言える」のが住宅業界の今の現状。是非建て主さんは、「性能表示住宅やで等級2の家、また長期優良住宅を造った事があるかどうか?」を聞くことが重要な選定基準といえる。長期優良住宅の条件が、性能表示の耐震等級2以上であるから・・・。あたりまえの仕様である。
ただ懸念される事もある。この長期優良住宅や性能表示住宅は、申請コストだけで40万ほどかかる(書類作成費用20万強、申請料20万弱)。これらはすべて建設費に跳ね返る(建て主さん負担)。
性能表示や長期優良住宅の申請書作成に限っては、当事務所でもお受けいたしますので、建て主さんに限らず建設会社さん、工務店さんはお問い合わせください。
写真はD13 ピッチ120mm以内のシングル配筋で、人通口補強を2-D16で行った性能保証耐震等級2の家の基礎。そんな基礎、2階建ての家で巷で見たことがありますか?これで初めて「地震に強い家」といえる。