「 2009年10月03日 」一覧

新潟の家 CO2を25%削減に対し設計者でできること!!② コンパクトな家

CO2を25%削減に対し設計者でできること!! 断熱区画に続いて第2は「コンパクト」な家です。

これからの家は50年以上の寿命をが当たり前に考えなければなりません。そのような長期を考える場合は、住み替えや世代交代した時になっても「価値のある家」となっていなければなりません。
先日の南雄三さんのお話の中にありましたが、「建てて流通にのりにくい家の構造として「二世帯住宅」がある。」ということでした。確かに2世帯住宅は、部屋数が多く特殊な形態であることはまちがいないですね。家業が農家のように、その土地にいなければならない特殊な事情のある方は、逆に2世帯住宅のような大きさの家が良いです。しかし農家以外の家族にはやはり特殊な大きさの家となります。特殊な家は価値が少なく、壊されやすい傾向があり流通にのりにくくなります。
では価値のある家はどのような家にすればよいのでしょうか?いろいろなケースがあり一概に「これ」と言えませんが、オーブルデザインではその中でもコンパクトな家が価値が今後長続きすると考えてます。
コンパクトと言っても建物の居室部分がコンパクトなだけであり、敷地や居室以外は広いほうが良いですね。目安は敷地できれば100坪(妥協しても75坪)以上、居室以外の納屋兼車庫が9坪以上(どんなにつ少なくても6坪)はほしいです。居室部分つまり家は4人家族くらいなら30坪以下で充分です(大きくても38坪)。もちろん住居部分以外に床下収納のような大きな物置は必要です。

なぜ30坪以下がお勧めなのか?無論長い人生スパンを考えた場合、家が大きいとそれだけメンテナンスや維持にに大きな費用がかかります。このメンテナンス、維持の中には、毎日行うお掃除も含まれます。お掃除ひとつとっても居住が小さいほうが楽ですよね。
さて、敷地100坪の大きさは市街地(特に新潟市)ではまず無理という価格になると思います。だから価格の安い郊外を選ぶことになります。子供の学区で多少問題のある時期もありますが、郊外の広い敷地の家はそれを考えなければとても贅沢な環境を得ることが可能です。そして高齢時に都市部に引っ越すことになりますが、この時郊外の家を手放すこともあるでしょう。この時には敷地が大きい分売れる可能性が飛躍的に高まります。
なぜ高齢になったとき都市部へ引っ越すのか?それは高齢時には車などの手段は使えませんし、各支援を受けやすいところである市街地こそがふさわしいのではないかと考えます。歩いていけるところに全て揃っている市街地は、高齢者こそふさわしい環境です。そのときは大きな敷地では負担も大きいですよね。豊かな共同庭があるテラスハウス(個別庭付き低層共同住宅)などが良いのではないかと思います。

話が飛躍しましたが、一戸建てを作るならコンパクトな家はお勧めです。何しろ暖房費をはじめとする光熱費が少なくなることは間違いありません。つまり住むだけでCO2削減に貢献できます。また、敷地にたくさんの緑でもあればその効果はより高くなります。
図は実際のプランです。敷地がこのくらいあれば理想的です。居住部分は30坪、車庫11坪。1階は一部屋で2階は2部屋(仕切りで3部屋可)とシンプルです。但し床下に収納、2階に納戸があり確実にしまえる空間を備えます。家の3倍以上もある庭や菜園、素晴らしい環境ですね。小さい部屋がたくさんあるより一軒丸ごとで考える空間のほうがいいですね。そのために断熱性能は非常に高く無ければ意味がありません。これは昨日お話しましたように、大手ハウスメーカーの基準である次世代断熱基準程度では、かえって暖房費が嵩み(CO2発生が増える)ます。家の広さより家の性能アップ、そして郊外の安い単価の広い敷地確保という選択肢もありますね。。
先日「トトロの家」のモデルとなった家(東京杉並区1929年築)が残念ながら消失しました。この家は床面積が21坪しかないのにここまで80年以上実存できたのはその建物に敷地との調和があったのではないか(愛される家には広い庭がある)と想像します。つまり価値がある家(敷地と家の一体化)ということです。ちなみに敷地は260坪ですからここまで大きくとはいきませんが・・・。あっ・・・無論家の素材は本物の無垢材ですね。