先日ナチュラルガーデンでお手本となる本の事をお伝えしました。この本がそうです。
この本は、10年くらい前に偶然出会った本で、今でも大切に本棚に置いてあります。
生命の森というタイルとですが、内容は新潟県の森について分かりやすく書いてあります。学術的な事と経験上の事が融合しストンと心に響きます。
本物の森は主となる木があり、それを取り囲むように森が形成されており、更地から森ができるまで数百年ほどかかるそうです。
森の初期はおなじみの松林から始まり百年で落葉木がとって代わり、更にその後数百年で主木の森が形成されます。主木といっても一本ではなくその木の種類の事で、例えば「赤がし」などの事です。
日本の庭は、手入れを怠ると日本の気候が木の成長に適しているので、あっという間に荒れます。この荒れが百年続いてようやく本物の森になっていきますが、普通はそこまで待てないので松や椿など初期に形成される森をまねる事が多いです。それを最初から本物の森の構成で植え込むと、数十年で本物の森ができます。この会が手掛けた実例では長岡の川崎小学校の森や三条の川瀬クリニックさんの「樫の森」などがあります。三条の「樫の森」はその名前のとおり、樫の木が主木です。
本物の森はいつも構成が決まってます。まず道路(海岸)から
そで族→マント族→林
ですね。林には主木がありその下や近隣に低木があったりします。こういった森の構成を計画し植え込むことで、本物の森のように木に勢いが生まれ妖精が住むような「気」が感じられるようになります。
逆に林の中にある低木(EX.ミズキや山ぼうし)などは、元々マント族に風から守られ、強い日射からも主木や高木に守られている生い立ち上、風が吹きつける所や、一本立ち、強い日射が当たる所に植え替えると、あまりよい木になりません。そして痩せた木の庭になります。
普通の庭屋さんはこの事をあまり説明せず、この木は風に弱いとは、日に弱いとかで済ませますが、風に弱い場合、他のマント族とのセットで植え込む事で防ぐこともできます。要は早めに本物の森の構成を造れば、見ていて勢いのあるナチュラルガーデンの林ができますね。
だからこの会の手がける庭は、早めにその森の構成を造って植え込み、数十年で本物の森を街の中に造ってしまします。一度本物の森になったその中は、独特の森の匂いがあり、雑草も生えにくくなります。川崎小学校の森は有名ですね。
この本は森を知るための素晴らしい本です。是非一読をお勧めします。ただ残念なことに本屋さんでは置いてません。在庫があれば直接上の写真にある出版所から入手できます。ご興味のある方はどうぞ。