「 2009年11月15日 」一覧

びっくりした。公式のインタビューで私は初めて聞いた。

 「初代プリウスを出した当時、『けっして充電することのないクルマ』と宣伝してきた。しかし、環境問題や化石燃料の枯渇の状況がより深刻になり、充電という手間を惜しまないようになった。それがPHVのコンセプトになった」

これは・・・
トヨタ自動車は12月に家庭の電源から充電できる「プラグインハイブリッド」(PHV)の販売を始めるますが、その開発者の田中義和氏(48)氏の発言です。

今まで環境問題や地球温暖化がハイブリット自動車や電気自動車の背景にあると、様々のところで公式に発言されてきましたが、「化石燃料の枯渇の状況がより深刻になり」という本当のことと思われる理由を?初めて聞きました(私は)。

化石燃料の資源が全くない日本のメーカーの発言ということを差し引いても、世界一の自動車メーカーの開発担当者の言葉だと社会に与える影響は大きいはずですが、はっきりと述べてます。今まで「化石燃料の枯渇が深刻」と国は言った事がありません。
だから家でも「化石燃料の枯渇」というキーワードで住宅を開発、または企画する大手はほとんどありません。だいたいが環境、地球温暖化というキーワードです。
当事務所は2年ほど前から、「化石燃料の枯渇」の時にでも暖かい家に暮らす事を目的に超断熱の家を勧めてます。持続可能な社会のためでもありますが、エネルギーの危機管理は今や企業、国より個人の家のほうが重要です。個人の家は一番寿命が長く、あなたが30年以上は責任を持ち、そして次の世代への社会的資産になるわけですから・・・。
だからエネルギーの無駄遣いは許されません。当事務所のように自然素材大好きな家は無論、ビニールクロスの家でも、大事に使うために家の超断熱がお勧めです。

 

そろそろ真剣に国民レベルで議論する時が来ていると思います。決して恐怖や脅かしではなく、世界が脱石油の産業革命を迎えようとしています。それを地球温暖化防止というきれな言葉だけでごまかしてはいけないと感じます。・・・真剣モードです(汗)


新潟のQ1 超断熱の家 その基礎断熱

上の写真は、現在施工中の超断熱の家の基礎の部分です。
左が断熱施工後、右が断熱施工前。基礎にまで断熱材が被っているのがわかります。
これは熱橋による結露防止とシロアリ防止(予防と駆除)のバランスを考えた計画。
よく見ると、断熱材が下から30cmくらいのところで材質が変わってますね。これは基礎と土台の部分で精度が違うので、柔軟性のあるGWを使い誤差の吸収をしているためです。

熱橋とは・・・コンクリートは断熱材(壁に使用)の80倍も熱を伝える素材。そこにアンカーボルトと呼ばれる基礎と土台を固定する鉄の棒が入っています。鉄は断熱材より4000倍も熱を伝える素材です。そのため外部に露出する基礎から熱を奪われ、それがアンカーボルトを通して暖かい室内につながってしまう現象を熱橋といいます。セキスイ、ダイワホームさん等の鉄骨構造はこの部分の対処に苦労します。

超断熱のような超高性能になると、このアンカーボルト周りを断熱材で覆ってしまわないと「あ」のところで結露する可能性が高くなります。そのためには、断熱材を基礎の外部施工する基礎外断熱が有効です。しかしこれには大きな欠陥があります。それは基礎外断熱は、シロアリの蟻道形成されやすい構造となるからです。仮に断熱材にシロアリ予防材(ホウ酸類)が混ぜてあっても、断熱材と基礎の隙間に蟻道を造ってしまえば土台の木までたどり着くのはたやすいことです。シロアリの少ない北海道ではこの基礎外断熱で大丈夫ですし、そのほうが結露防止として有効です。
新潟県では基礎外断熱はよほど理由がない限りしません。
多少の結露よりシロアリが怖いからです。仮に結露でその周囲木が多少腐朽しても構造に致命的ダメージは与えません。しかしシロアリは構造に致命的ダメージを与え、そして柱や土台にシロアリがいると思うと気持ちよくないものです。そこで上のような構造になります。しかしこの基礎外断熱を行っている会社もあります。将来が不安ですね。

SSプランの床下は真冬でも22度以上で積極的に使用しますので、このような熱橋対策は必ず必要です。超断熱ではこのような洞察力と技術力が設計者に必要です。安易な超断熱発想、見よう見まねでは欠陥が生じることになります。