「 2009年11月13日 」一覧

設計事務所の仕事 何がメリット?

設計事務所の仕事で何を大切にしてますか?

と問われたとき、必ず一番は「安全性」となります。

当たり前じゃないか?と言われればそれまでですが、

この建築業界に身をおいていると、要らぬ情報が

入ってきますし、目に付きます。(耐震性がなさそうな家が・・・)

最近瑕疵担保保証の会社が、今まで基礎配筋検査をの
写真を撮影して記録として残していたのに、
「今後写真は省略します」と言って、撮らなくなりました。
これは当たり前のことで、
配筋のチェックは「工事監理者」が行う行為です。
しかし実態として工事監理者は機能しているのでしょうか?
特に一括請負(設計施工とも同じ会社)の場合は・・・。

安全性の一番は「耐震性」です。

先日の記事でご紹介したとおり、耐震性は法律を守って設計すれば

必ず大丈夫でないことを、先日の実大実験が証明してます。

法律はあくまでも「最低の基準」と建築基準法第一条に

記されてます。だか当事務所が大事にしているのは、

技術者としての「工学的判断と信念」です。

その信念で当事務所の耐震性のチェックには

弾性変形内の層間変形角を重要視してます。

弾性変形とは、ゴムに力をかけると変形し伸びますが、

力を取るとほぼ元の形に戻ります。これが弾性変形。

この範囲なら物は繰り返しの力に耐え、急に耐力が

なくなることがありません。

層間変形とは、揺れた時1階と2階にどのくらいの角度

になるかを計算で予想する事です。

オーブルでは1/150以内としてます。

これは1階と2階の高さが3mとしたら、たった2cmのずれです。

「えっ、耐震性があるというのはそういうことではないの?」

と普通の方は考えると思いますが、違います。

法律による耐震性とは「倒壊しない」事を意味します。

半壊でも傾いても倒壊しなければOKというのが

建築基準法による耐震性です。

上の写真はいずれも倒壊していない建物。しかしこれでは全壊です。

自分の家だったらそれでよいですか?

私は不十分と思います。

大きな地震がきたときに、「家に入れ!!」と言うくらいの

耐震性が必要です。そのことでコストは上がりません。

ただ層間変形角1/150を計算をし、

そのとおりに施工すれば大丈夫です。

設計業務を委託されていつも思うことは、

設計図がたくさんあってよかった

に尽きます。設計図に書いてなければ、

「言ったはず・・・」では

水掛論でどちらも気まずい思いをしますが、

設計図にあれば業者さんに「図面のとおりお願いします」

のただ一言。沢山の設計図は本当に重要です。

これがメリットです。