最も大きいクラスの薪ストーブでダッジウエスト社製のセコイアです。これは今秋に竣工した家の写真です。
これより小さいものにセネカがあり、両方とも外気導入口を持つ薪ストーブです。
高気密住宅では特に重要な外気導入口についてはいろいろなサイトでその必要性が述べられていますのでここでは割愛いたします。
このストーブを最初に設置したのは、17年くらい前だったと思います。その当時外気導入口付きのストーブはあまりなく、数種類だったと記憶しております。
現在は国産ストーブでも外気導入口付き機種が販売されておりその認知が進みました。
さて、「気に入った薪ストーブがあったのに外気導入口がない。」と言うことであきらめる方もいらっしゃると思います。
その時は、ストーブの近くに別に穴を設けてあげれば、ないよりは随分よくなります(そもそも外気導入タイプでも、半分から70%の空気を外気から取り入れ残りは室内の空気を使う機種がほとんど)。
このストーブは新潟県内で今夏竣工したS邸のストーブですが、ストーブ本体に外気導入口がありません。しかし建て主さんはどうしてもこのデザインとオーブン機能にほれ込み、なんとかならないか?と要望されました。そこで、このストーブ真下に、スイッチで開閉する100φの穴を設けました。
薪ストーブを使うときにそのスイッチをつけると、穴が外部とつながる単純な仕掛けです。
単純ですが、このパイプの周りを断熱材でしっかり覆ってます。これが無いと外気で冷やされ、床下、及び床で結露してしまいます。
あたりまえですが、こんな小さな事象でもきっちと設計します。多分一般の家では床下が低いため結露しているかどうかも確認は難しいでしょうが、緑の家はいつでも床下が見れるので、直ぐにわかります。
よってストーブはお好みで選んで頂いてもOKですが、写真ように周囲の耐熱壁や床の不燃材はこのくらいはほしいですね。よく雑誌や写真で見かけをスマートにするため、ストーブの周囲に少ししかないものを見かけますが、使いにくくて仕方ないと思います。
特に床の不燃材は仕上げは大きいほうがよく、一時間に一回は行う薪入れで、薪自身の粉のような皮が落ちたり、砂が落ちたり、また燃えている火の粉が落ちる場合もあります。
また半日分の薪置き場も必要ですから、写真のような大きさくらいは必要です。
今回の両宅では、薪ストーブはあくまでも補助(週末用)で、主暖房はエアコンや床下暖房です。薪ストーブはそんなにエコでないことと、燃料代も結構かかりますから趣味的要素が高い暖房器具です。
ちなみにこちらのストーブがほぼ100%外気を使って燃焼するスキャン製薪ストーブです。薪ストーブ中ではとてもコンパクトですが、Q値1.9W/m2kの家のため必要にして十分の能力です。ちなみにこの家の吹き抜けだけでも20帖を超え、気積では57坪(114帖)の空間を暖めますが、十分暖かいです。