地震予測と対策

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ご存じのとおり、「緑の家」は超高断熱高気密を標準としてとても温熱環境を大事にしますが、それはまず耐震性能が確保されてからで、優先順位の第一位は耐震等級2以上の確保です。その耐震性に関わる地震の予測が国から発表されたので少し説明をします。

2014年12月文科省発表の地図(以下全て同じ出展元)

地震予測というと一般の方は何時どこで地震が起きるかを予測する事だと思いますが、今回の文部科学省研究開発局地震・防災研究課が行った発表(報告)は、一般の感覚の地震予測ではなく、地震の「揺れ」の予測と言ってよいでしょう。これは文部科学省が誤解を与えるような曖昧な発表をしている事で、マスメディアが予測出来るような雰囲気を作っているかもしれません。

報告書は数百ページになるかと思いますがその代表例の上の地図で表されているものは、

「今後30年に震度6弱以上の揺れにみまわれる確率」

となっており、予想といえる何時どこでの「何時」がはっきりしません。

何時がわからなければ、隕石の落下より悪い予想かもしれません。大きな隕石なら数日前に何時どこに落ちる事がわかるのが今の技術でそれに比べて、地震予測が一ヶ月の範囲でどこで起きるのかがわかれば予測出来るといえますが、30年の確率では・・・(私でも言えるぐらい)。

今のところ何時起こるかはわからなく、寸前に起こる(数日前)微震の状況を注意深く観測する事しかないのでしょう。

となると私達建築士にできることは大きな揺れが発生する地域には耐震等級2以上の建築物を必ず提供する事でしょう。そういった意味でこういう発表は大変ありがたいものです。確率が高い地域には出来れば耐震等級3に引き上げる事も検討した方がよいと思います。

新潟県にスポットを当てると、

報告書の中にある震源断層の特定した地図から三条~新潟への信濃川沿いに強い揺れが起こる確率が高くなっております。

一方長岡以南のほうは、ひとたび断層による地震が起こると三条新潟線より大きな揺れが起こる確率が高そうですが、他の予測でみると10年前の中越地震で一度力が放出されておりますから、ここが震源になる地震の確率は低く三条新潟線がとても今後注意が必要と言うことがわかります。

地震が何時起こるか今の科学ではまだわかりませんが、この報告書を見れば見るほど、日本全体が地震国となっております。こういった天災が多い事が神々が宿る所があちこちにある特別な宗教?観・・・普通宗教は教祖がおりそれは実在人となりますが、日本では人(神話ではなく存在した人)では無く自然という特別の宗教観を作ったとも言えます。山の神、海の神、地の神、風の神・・・至る所に神を感じそれは天災が至る所で頻繁に起きていたからとも言えます。

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コメント

  1. オーブルの浅間です。 より:

    ちーすけ様
     コメントありがとうございます。
    大変遅レスで申し訳ありません。
    「緑の家」は耐震等級2からですが、積雪量は最低を1mとしてあとは話し合いとなります。
    ご指摘のとおり、耐雪量と耐震等級は密接な関係があり、耐震等級2でも耐雪1.5m以上なら、耐雪1m換算で耐震等級3くらいになります。逆もあり耐雪1mの耐震等級3であっても、耐雪を1.5m相当にした時に(実際は他の構造体にも影響あり)は耐震等級2以下に下がります。
    このあたりの加減は大変難しく、その地域の事をよく理解していないと難しい部分です。お勧めはその地域の設計積雪量で耐震等級2以上です。

  2. ちーすけ より:

    浅間先生、こんばんは。
    やはり耐震性が第一ですよね。
    2等級以上は耐力壁だけでなく、基礎や床などの強度も検討してもらえるとの事ですが、さらに地震地域係数ってものがあるために新潟の「緑の家」では耐震等級2以上にされているのではと想像しています。
    また、積雪時の地震を考えると、雪国では「緑の家」のように構造計算することもとても重要なんでしょうね。