その3ではなぜ30年でかび臭くなるか・・・を考えたいと思います。
この上の図は家の中で代表的な乾性カビ「黒麹カビ」の胞子が発芽する日数を表しております。出展元は文科省の文化財保護でまとめられた資料からで、大切な宝物をカビや虫から守る為にその専門家でまとめられたマニュアルです。
乾性カビとは比較的乾いた所(湿度80%以上)でも生育可能なカビのことで、住宅内では普通に見られるカビです。
上のグラフは横軸がAw=相対湿度で、相対湿度が90%以上で3日間続くと、着床した胞子から発芽しカビになります(空気中の胞子は一般的にカビと呼ばないことから)。
つまり相対湿度90%を3日間続けるとほぼカビが生える事を意味しております。一度発芽すればその後は湿度80%以上で増殖します。
そこで新潟の代表的な夏の気温と湿度を調べましょう。
出展:気象庁過去データを色加工
2013年8月11日の気圧配置図。見るかっらに夏の気圧配置。
上は仙台市、大阪市、新潟市を並べて夏の3日間の温湿度(気温と露点温度)をプロットした図です。普通は1日平均の相対湿度をプロットしがちですが、平均化すると物事の本質が隠れてしまいます。よって時間毎で分析します。
この日の新潟は仙台市、大阪市より露点温度が3度も高いことが明らかです。また気温は逆に最高気温が上がりにくい事がわかります。つまり気温と露点温度の差が少ない・・・
そう!
代表的な日時から判断すると新潟市の夏季はとても相対湿度が高い地域なのです。気温が明け方の27度から日中の32度上がっても、家の中の北側の押し入れ内では32度まで上がる事無く29度くらいとすると、押し入れ内の相対湿度は常に90%となります。本来気温が上がれば相対湿度が下がりカビが生えにくいのですが、日中も温度が上がらない北側の押し入れ・・・すると相対湿度は高いまま、これが押し入れがかび臭くなる原因です。
でも押し入れの中の布団はかび臭くなるのに、押し入れ自体(壁、床)はそんなに気にならないけれど・・・。
そこがこのカビ問題を複雑にしておりそれを次の回で解明しましょう。
この冬、家の車庫ストックにある野菜に生えた青カビとクモノスカビ
その④に続く