2016年3月9日22時に緑字加筆修正
引き続き300万円以上する熱画像カメラを巧みに操る東京大学の前先生の写真です。
この話題はいくつでも書けるほど面白く現状把握に最適です。
最高性能木製サッシからもコールドドラフト。
こちらは日之出町の家の家族の間の大きなサッシを写したものです。
見事に・・・ほんと綺麗にコールドドラフトを防いでいますね。
予めお断りしますが・・・
300万円以上のサーモグラフィーシリーズで取り上げている家は全て普通に暮らしている家で、特別の事をした展示場とかモデルハウスといった特殊な建物のデータではありません。また住まい手さんが自分に合った独自の温度設定などを行っており、実際の生活上の測定です。
サッシは巾2.5mで高さ2.1mの大型の木製サッシ。しかも欧州製のこのサッシはUw=0.7w/m2kとほぼ最高の性能です。よって外気温3度の夕暮れでも一番低い温度が20℃と高く、その性能を遺憾なく発揮していることがわかります。しかしそれでもコールドドラフトを発生しており、それが15mm~18mmの細いスリットでしっかり防がれている事がはっきりとわかります。
しかし後でよく検討して見ると・・・この時は床下エアコンが停止状態で有り、それでもこのように残温でコールドドラフトが防がれている事に逆に驚きます。
このサッシはエアコンから基礎区画2つ分離れた遠い所にありますが、しっかり温風が出ている事の証明です。
上の写真を反対方向から撮影した画像が下です。
床下用エアコンが停止しているにも拘わらずほぼ完全に同じ温度の床面。奥はミストが主の影響と思われる。
こちらもールドドラフトをしっかり防いでいる事がわかります。面白いのはスリットがない所から冷気(気流感程度)があふれ出ている事がでしょう。「緑の家」オリジナルの細長いスリットの良さがわかる証拠画像です。
そして奥の方に温度の低い箇所が3つ・・・。
左手はミスト式の加湿器で、そのため加湿器周囲が気化熱を奪われ顕熱温度の低下がわかりますし、右側はペレットストーブの煙突貫通部分で、不燃材眼鏡石のため断熱材が50cm角に渡って欠損しているので温度が下がっております。更に右・・・ここは製氷室なのでピンポイントで温度が低いです。面白いですね。ミスト式の加湿器の欠点まで可視化してくれます。
こんな均一で快適な1階床温度を生み出す床下の温度分布は水平方向で均一になり、上下で差があります。下の画像は床下の温度分布がわかる画像です。床を支える束の温度状態を見るとわかりやすいですが、スラブ床面から30cm上がって所で温度が高めで安定しているように見えます。
日之出町の家の床下。一見ムラがあるように見えるが良いムラ(垂直方向)である。
もっとわかりやすいのが「300万円以上のサーモグラフィー シリーズ」の1から3の「旭町の家」の床下の垂直温度分布がわかる下のサーモ画像です。
上面を流れる温風が床面を暖める。下の低い温度(21~22度)は快適性には無関係。
サーモ画像右手側は中心部のため外気の影響を受けにくい所で、この竣工一年未満の床下の、空気温度分布と思って良いと思います(来年は更に温度差が無くなるはず)。
見事に温風が横一面に分布していることがわかります。この写真撮影位置は、床下エアコンから最も離れた区画です。これを見ても水平方向には温度差が無くし、上下方向のみ温度差がつくように床下内の気流を作る事が、一階の床表面温度の快適な温度分布につながっているようです。
その⑤に続く
コメント
Mちゃんさん
コメントありがとうございます。
>窓の下面の温度が20℃なのはスリットからの熱も反映しているからなのでしょうか。
わかりません。比較して測っておりませんので・・・。色だけをみるとあまり影響していないような・・・むしろ床からの熱の影響が大きいか?
>また窓の表面温度は何度だったのでしょうか。
これもわかりません。
申し訳ありません。データありません。
カーテンが約22度・・・うーーん。
ただ快適性を考えるならはこのカーテンのこの温度の方が重要なので、窓自体の温度測定に気がつきませんでした。
残念です。
緑の家、凄いですね。窓は窓ですね。これほどの高性能窓でもコールドドラフトあるのをみて一人納得しました。窓の下面の温度が20℃なのはスリットからの熱も反映しているからなのでしょうか。また窓の表面温度は何度だったのでしょうか。