一見普通に見える砂利・・・外構の完成度を上げるために色にも気をつかった・・・。
「緑の家」で定番の散水栓セット。大事なポイントは経年変化する素材を使うこと。
具体的には水栓は真ちゅうメッキされた水栓でホース用と通常用の2つが設置されている事。真ちゅうメッキは数ヶ月で十円玉のような黄銅色に変化する。これは・・・外構の照明器具も同じ。
また排水の格子はあえて鋳鉄製でこれは数年で錆が出てくる。鋳鉄は鋼と違い錆が出てからも長い寿命が期待できる。巷のマンホールの蓋も鋳鉄製で確かに錆の進行が遅い。
砂利は庭と建物周囲では違う色。茶色のほうが運搬費分高いので必要とされないところには普通の小砂利敷きこみとした。
簾が使えなかったのでアウターシェードを設置したが、固定方法が簡便の為、横方向からの強風には弱く煽られやすい。その時は簾用ように下部をしばって固定すればよいと思われる。
ところで・・・
見学会の時に何度か聞かれたが、この軒裏に付いている黒いのは小屋裏換気口。
超高断熱高気密の性能だけに目を奪われがちであるが、「緑の家」はこの小屋裏換気口をとても大事に計画する。
以前は棟換気を主力にしていたが、
次の3つの理由でこの写真のような換気口を主力に換えた(屋根断熱以外)。
1.シ-リングの寿命
建築後10年経た「緑の家」の屋根上に昇ってみると、どうしても必要されて使われる屋根のシーリングが20年も保ちそうもないことを見かけるようになった。
屋根材の寿命は35年ほどなのにシーリング寿命は15年~20年。シーリングが劣化したから直ぐに雨漏れがあるわけでは無いが、出来ればシーリングがない屋根にしたい。そうなると棟に安易に換気をを付けるのは避けるのがベターである。
2.棟換気は耐雪住宅と相性がわるい
新潟県は雪国。1月2月に雪が屋根の上に乗っているのは良いのだが、3月にまで雪があると雪で塞がれたこの棟換気口からの換気が行われない事がある。3月は暖気もあり(気温が10度を超える日)、この時に雪の乗った屋根下では野地板が必ず結露している。外気が低いときには外気の露点温度は氷点下になり野地板裏での結露がないが、外気が10度あるとその時の露点温度は0度を超える事になり、この時激しい結露が起きやすい。その時に棟に雪があると換気の効率が著しく落ち、結露が乾くまで時間がかかるばかりか、天井に水滴が落ちることもある。よって耐雪住宅では棟換気をアテにしない小屋裏換気計画が必要である。
3.古くは小屋裏換気は妻、軒裏換気
夏暑く、雨が多く、雪も降る新潟県の気候では小屋裏換気は屋根の長寿命化の大事なポイントである。「緑の家」は長期優良住宅で定められた換気量の1.5倍を確保するようにしている。だからこのように換気口が多くなり目立つ事になる。
元々シーリングのない時代の屋根の棟には換気口を設ける事は大変少なく、もし設けてる事があっても越し屋根のようなもう一つ屋根をつくる手法をとる。時には過去に習うことも(温故知新)必要である。ただし古い建物は瓦、木の板だったりしたのでそのもの自体が換気出来る素材だった。