otomo vie cent リノベ その12 つららと換気と湿度

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2022.02.22に再構成

今年はじめて大きめのつららが出来ていた。ここは2月中旬の月曜日のotomo vie centのアトリエ棟の屋根。

つららの出来る原因は2つ。いずれも屋根に雪がある状態で、一つは暖房している住居の熱が部屋から小屋裏へ抜けそれが屋根に伝わり屋根の雪が溶けて凍ったもの。もう一つは日中のお日様の日射熱や外気が上昇して屋根の雪を溶かしたのち外気が冷えてつららになるもの・・・である。新潟県はこの両方の原因で出来る事が多い。一方寒冷地(常時氷点下10度程度)である北海道や高地などではもっぱら暖房が主原因となる場合が多いと聞く。

冬の厳しさで山の獣たちも活発に里にくるのか足跡が多数。

otomo vie centのアトリエ棟は築60年以上であるが、一度リフォームをしているため天井の断熱材は一応「あった」。しかし置いてあるだけの薄い断熱材厚50mmであるため、これならば無いのと同じ。そこで昨年の夏に半分くらいの面積に100mmを敷き込んでいたため、思ったよりも小屋裏に熱が逃げていないようである。そう思ったのは隣の現在暖房していない母屋の屋根にもこの程度のつららが出来ていたためで、これを見る限り室内の熱よりも外気や日射の熱が大半と思われる。このようにつららの出来具合でその家の天井断熱材の善し悪しを大まかに判断できる。

屋根下に設置された室外機の結氷状態。フィンは霜のような状態。

この棟の暖房は全てエアコンで行なっている。エアコンは日立製冷房定格2.8クラスの最上位のエアコンである。新潟県でのエアコン暖房では、氷点下での連続運転より技術者泣かせの温度帯である氷点下2度から2度の範囲で、且つ雪降りとなる時間が大変多く、霜付き条件には最適。2月上旬から中旬にかけて1週間ほどちょうどその温度帯にはいったまま外れることがなかった。

除霜時の室外機。氷が溶けて水になり流れ落ちる(白矢印が水の粒)。
白矢印くらいのみぞれ雪時に最も霜がつきやすい。相当量滴る除霜水。

しかし除霜技術の進歩で、寒冷地用を使わなくとも上の写真のとおりしっかり除霜し、その間も寒くなることはほとんどない。通常このような低断熱の家であると、除霜時間には温風が止まるどころか冷たい風となる場合があるのだが、あまり感じられない。性能はよい日立だが、冷房で壊れやすい「J」年度の日立のエアコンを使ったリスクは、10年延長保証で互換解決している。

但し、室外機上に屋根がなく雪が積もってしまう場合には、この除霜が頻繁に且つ長く起こりやすい。下の写真はある家のエアコン室外機である。工事監理しているときに「ガラガラ」との音がするのでその方向を見ると、室外機が動いている音で、除霜がうまく出来ずに氷がファンに触れているような音がしていた。

ある家の屋根のかからないエアコン設置例(長岡市内)。室外機上の雪が溶けて霜では無くフィンで氷状ができやすい。気休めに断熱材が上に置いてあるが屋根が必要である。

普通なら除霜時およびその後に室外機から大きな音がする事はない。室外機に屋根が無いとエアコン暖房時には不具合が起こりやすいのである。

さて話は暖房空間のことに戻り・・・

低断熱のアトリエ棟でも真冬に杉の無塗装の上ではなんとか裸足でもいられる。

その空間がよい暖房状態の時には・・・裸足でいられることである、と私は思う。足の裏は温点がすくなく寒さに鈍感な部位。足が冷え切るまで時間がかかり、上下温度差で床面が冷たく足が冷え切るときは体も芯から寒くなっている。このアトリエ棟みたいに、小さくても24時間で生活空間全部を暖めると裸足で過ごせる事ができるある程度暖かい家となる。

次に換気であるが・・・全熱交換しない換気状態ではRH(相対湿度)が下がりやすい。全熱交換型換気扇ならここまで下がる事は無いのであるが、お風呂CFを使ってもここまで下がる。

熱交換しない換気で70m3/hであるとこの程度まで下がる。

まぁ当たり前。18帖の空間に大凡70m3/hの24時間換気(キッチン・トイレ含む)。これは二人住まいでも換気がしっかりされるように一人35m3/hで考えている。ここでは洗濯物は干さない。その代わりにお風呂がCFであるため、湿気は一般量発生しているはずだが、それは下の計算で確認する。

2月7日16時の気象庁データでは気温1.5度でRH(相対湿度)55%との事(終日絶対湿度はほぼ変わらない)。この空気が換気によって室内に入ると一瞬で23.8度のRH12.7%というとんでもなく乾いた空気になる。それが室内発生の水蒸気と混じり合い23.8度でRH(相対湿度)23%まで上がる。その差から室内の蒸気量を計算すると0.17L/hとなり、24時間では4.1Lの水蒸気が室内で発生している事がわかる。実質管理人一人なのでこんな湿気発生量だが、二人ならRH(相対湿度)30%くらいまであがる。一方こんな乾いた空気でも何故か・・・静電気は一切感じられない。化学繊維も着るし、服を脱ぐときには「パチパチ」と音をたてるが、手や足が物に触れていやなあの痛い火花は出ない。これはスリッパを履かないこと=裸足が大きな理由だろう。静電気で悩む家では必ずスリッパを履いているのではないかなぁ。

また熱交換しない換気方式の換気でこの時期に室内RH(相対湿度)が40%を超えるなら、ほぼ確実に換気不足だろう。CO2濃度を測ると1000PPMを常時超えているかもしれないので、それをよしとすれば後は結露の問題だけ。しかし結露は嫌いなのでやはり換気は25m3/(h・人)前後が適当だろうと思っている。

最近は様々な情報が手軽に入るようになり、特に動画系がスマホで見やすいこともあり重宝されている。がしかし・・・

削除されることも多く、ついこの間見た動画も今は「削除」されていた。また換気や、断熱材、気密なども解説している動画もおおいが、そのおおくは根拠も同時に紹介しておらず、思い込みやただのイチ体験に終わっている。やはりエビデンスはとても大事なことである。

雪はあるがもう春の日差しである。

雪が降っても季節はもう春と移り変わりの早い天候が教えてくれる。

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