S造の倉庫をリノベして超高断熱の「入り子構造」で模様替えした新事務所に令和7年2月1日に引っ越しをした。
先々週木工事が終わり養生を取り外すところまで終えたため先週清掃と引っ越しを行った。養生を取り外すと途端にその空間がガラッと変わるような印象を受けるのがいつ体験してもよい。これを想像して設計をするのだからある意味設計とは職人特技ともいえる。
新事務所のインテリアはご案内しているとおり「優しい空間」である。この優しい空間の設計、仕様はほぼすべてスタッフMが担当して、原寸図を含む全てを作成した。
最初は玄関の取っ手のご紹介・・・
この控えめなデザインが大好きな真鍮磨きの取っ手。もうこれだけで毎日触れるために通いたくなる。
その取っ手が付いた玄関戸は杉の無垢板厚45㎜で柾目の赤身無塗装。当然真鍮の取っ手には真鍮の極厚丁番で支える。実はこの丁番だけで既製品の扉ワンセットが買える価格。金属にこだわるとコストは上がる。いつもの北欧製高断熱戸ではこれほどガラス面が大きい戸もなく、デザイン的にも事務所ではなく住宅になるためあえて制作して頂いたのである。当然ガラスはアルゴンガス入りのLow-Eの遮熱ガラスで、気密パッキンだけでも1万する北欧の超高断熱戸のような高気密にこだわった。
玄関の床は以前の事務所と全く同じのウリンの床(オイルふき)で仕上げた。これは従来の事務所の床も木であったとおり、同じアイアンウッドの床であり、もう25年以上付き合っている。当時は玄関の床に木を貼るなんてちょっと変ではないかと言われたが、最近はお目にかかるようになってきた。25年ほど使用して、固くて湿気に強く癖も比較的少ないのでイペと同様に最も愛されるウリンを継続して使いたくなった。今回は従来よりさらに条件のきつい床下暖房を行っているが、再び25年ノーメンテナンスで行けるだろうか。
一方全体の床はスタッフMの一押し※の「杉の無塗装で超仕上げ」である。裸足でないとスベリすぎるくらいツルツルの床で、その足の触感は最高に近い。
※スタッフMはこの杉の超仕上げ無塗装の床に住み始めてから、その感触に魅了され新事務所の床も杉にして皆に広く知ってもらいたいことを強く望んだ。
定常的に勧めている「ヒノキの無塗装で超仕上げ」もトイレと洗面前に計画。両方を裸足で歩いた時に確かに杉が柔らかいとわかり足の裏はとても敏感である改めて思う。
この杉の床は奈良県からわざわざ直接仕入れており、超仕上げといっても様々な店別で仕上げの違いを見ている私にとって、一押しの表面仕上がりである。つまり専門家からみてよい仕上げであるという貴重な材木屋さんの床である。