「緑の家」は北窓が大好き!

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今年の夏は暑かった・・・。特に北海道は大変だったとのこと。

「超高断熱高気密でその性能を実感し住まうと、室内への直達日射は実は邪魔なのである。」

この発言はエコ重視の側から見るととんでもない考えであるが、実はこれは私の本音である。冬期の直達日射にあこがれさえ感じるのは、従来の住居の暖房環境が貧しかったためである・・・と考えている。これは太平洋側の地域でも同様である。

最初はちょっと四方山話。
自分的には記録的な暑さになった今年の夏。35度が4週間も続くというかつてない夏が終わろうとしている。冒頭の図は昨年と今年の8月の日最高気温を札幌市と新潟市でプロットしたグラフ。

これを見ると昨年の新潟での日最高気温と今年の札幌市での日最高気温にあまり違いがないように見える。特に8月の後半では札幌市の方が全体的に数度高い。昨年の新潟市が暑くなかったかというと、例年並みの夏であったので、今年が如何に異常な暑さが続いたかがわかる。これでは従来冷房が必要無い北海道と言われたが、気温だけでなく緯度が高いため緩くなる太陽角度で南窓からはいる日射も多くなり、本州より体表に当たる分だけ暑くも感じられるから、冷房つまりエアコンは必須となる気がする。

今年の事でエアコン(冷房)が北海道でも一般的になる気配だが、エアコンの持病である例のスローリーク問題は少しずつ改善されてきている感じはする。当事務所がこの10年くらい使い続けている日立のシロクマ君も中国での組み立てを国内の栃木工場に移しはじめている↓。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8257bc9ccc1665ec4d08c90621a8dcad77c0bdde

これによってどれだけ改善されるか、全く変わりないかはわからないが、あれだけ故障し続ければ、メーカーの負担も大きいことから改善はされると思う。

次ぎは電気料金の話だが、8月に主要電力会社10社(北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国、九州、沖縄)の内沖縄を除く9社が黒字で且つそのうち8社が過去最高益を上げたとの報道があった。4半期の決算で4、5月は値上げ申請前の決算状況であるから、値上げ後の決算はさらに利益を押し上げるかも・・・。これらの株主でもないので値上がった電気代に対しこの話を聞いてなにか釈然としない。

https://www.sankei.com/article/20230802-MRQE6ZWGBZOCBNPOCA66EKC4UU/

事務所の北側の窓。常に一定のブラインド角度でよく、普通のペアガラスでも暑くもない。

さて本題・・・

「緑の家」は北窓が好き!であるが、
冬期に日射が少ない新潟県に住んでいると、南側に窓がある事については特に重要性を感じない・・・というより北側の窓が素晴らしいと思うことが多い。

当事務所は北、東、西に窓があり、この中で一年中カーテンがついていない、またブラインドの角度を変えない窓が北側のみである。東は冬期に確かに日射は入ってきてその一瞬は気持ちがよいが、その日射があたるところに座っていると、目が疲れ、顔もほてり長くはいられない。多分、事務所内では日射があってもなくても一定の温度が維持できているので、冬期でも日射は要らないのである。確かに冬期に日射があればエアコンが停止して電気代がかからないメリットがあるのだが、直達日射が入ったまま打ち合わせをするとまぶしいというご意見を伺うし、実際そのように感じるので、冬期でもブラインドなどで遮蔽する。つまり直達日射がはいる場所では、作業、リラックスは出来ないのである。そこで先日宣言した「Ⅴ地区新潟以南の超高断熱住宅は全て遮熱ガラスがよいかも」になる。

大好きな「て・こあ」の真夏。真南向きの南の開口部なら庇さえあればこのように8月でも日射は入らない。しかし真南限定で少しでも方位が東西に振れていると難しい。

当然真南という限定した方位の南窓は、ちょっと長めの庇さえあればある程度直達日射を防げるし、またどの方位でも外部に開閉が簡単な電動式のブラインドをつければある程度簡単に完全遮蔽ができるので、それらの選択肢がある事は理解できる。しかし春分及び秋分以降の日射遮蔽は難しいこと、日射遮蔽したときに外部ブラインドでは窓外景色が阻害されるということ考えると、一般的な住宅であれば北側窓の安定した日射と景色は最も良いのではないかと考える。

よってもし敷地選びで景観がよい所なら、それを見る窓は北側がよく、またキッチンを含む作業部屋などは北側窓が最高である。一方「ハレ」の演出などを考える空間、例えば朝食を取る空間等は真南でも日射遮蔽ガラスという感じだろうか。つまり全方位日射遮蔽ガラスと北窓好きはセットであるし、付け加えであるが真北であればできる限り色味も変わらず可視光線を阻害しないガラスがベストである。

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