
ある計画中の建物で、この4月に法律が変わり確認申請が3か月かかるとの話を聞いたが、確かに3月から4月は駆け込み申請で通常7日で確認申請が下りるところ、審査待ちで3週間後に審査開始で4週間かかっていたが、上の頃には法律で決められたとおり一か月で確認済証を頂ける。
ポイントは「法律どおり」での文言で、現在の法律では一般的な木造住宅2階建てなら35日以内に確認済済証を発行する必要がある。しかし民間の指定確認審査機関では個々の契約によって決めればよいことになっており、それでも通常35日の決め事が多い。しかし次の項目に当てはまる場合審査機関は確認済証発行35日を延長することができる。
1.省エネ適判が必要な場合
2.申請に不備があった場合
3.質疑に対し解決されない場合
4.他の機関の同意が必要な場合
5.特別の事情
ここで一番多いのが2の申請に不備があった場合と3のそれが解決されない場合だが、2025年4月から大きく変わったのは構造計算と省エネ適判受ける場合であり、それ以外では以前から行われてきたので、確認済証受理が長くかかるのは大概このところ3である(構造関係と省エネ適判資料)。つまり受付後は審査機関のせいではなく、申請する側に問題がある場合が殆どである。
実際の確認申請はフローは下のように2つの流れがあり、長期優良住宅を受ける場合と受けない場合がある(但し平屋等を除く)。
A.長期優良住宅の技術審査を合格→確認申請の審査
B.省エネ適判を終了→確認申請の審査
冒頭の川越市桜堤の家ではAに該当し、下のとおり長期優良住宅の技術審査の申し込みと同時に確認申請をERIさんに出している。下がその技術審査の確認書(審査済)である。

すると、長期優良住宅の技術審査の受付が6月27日だから同日に確認申請の提出も行っており、まず長期優良住宅の技術審査が7月17日におりて次に確認済証が7月29日に頂いている。であるから概ね1カ月で確認申請が下りている。当然審査機関では長期優良住宅の審査中に確認申請の審査を行っており、許容応力度設計での構造計算を確認している時に他の審査も同時に行われることが常である。このように3月、4月と違いERIさんでは審査は平常通り行こなわれている。これは新潟県の指定審査機関さんの「にいがた住宅センター」さんも同様で同じような期間で確認済証が発行されている(既に4月以降同様に3棟終了)。
当事務所の確認申請は4月以降数件提出しているが全てこんな状況である。しかし知り合いの施工会社さんに伺うと、今でもやはり3か月程かかっている建物もあるといい、4月以降慣れていない方の案件では時間が多くかかっているとの事。特に社内で全て行うところは質疑に対し直ぐに回答できるが、社外で構造計算など行っているところはその調整が難しいのだろう。