続・衝撃の状況。換気システムの給気口は手が届くことが無難な計画。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2階設置でも屋根で手が届く位置に計画されているサイクロンフード。

昨日築10年を迎える「巻甲の家」に10年目メンテナンスで伺ってきた。10年目メンテナンスでは瑕疵担保保険が切れる前に建物の水平が10年確保されていることの実証を行う点検。今回は2月26日に公開した反響の大きかった「衝撃の状況。換気システムの給気口は手が届くことが無難な計画」の続編でもある。

外観は木の外壁の「緑の家」で、10年経て色が経年変化でシルバーグレーになってきている。これでも雰囲気は良いが所々まばらでもう10年経ったときがどうなっているかまた楽しみである。アプローチの玄関部分の手摺は、この家のためだけにつくったどぶ付け亜鉛メッキの白くくすんだ感じがこの経年変化にマッチしている。一方白いフレームのように見える地窓が逆に変化なくてよい。

お出迎え用の地窓。ショーケースのように。
渋くなって更に雰囲気を醸し出す真ちゅう製の照明器具

内部は「緑の家」では珍しい「ナラ(オーク)」の縁甲板。ご入居前の一度だけオイルふき取りをしているが、その後は全くノーメンテでもピカピカと輝く。はだしの生活ができる住まいは床が艶る。

ヒノキより固いので傷は少ない。但しその固さと肌触りが足にも伝わる。

室内はいつものAEPの白壁だが、絵が沢山効果的に飾ってあって本来の白いかベの良さを引き立てる。手塚先生の「ブラックジャックのピノコ」の肖像画がとてもよかったのでご紹介したいが、プライバシーに触れるので残念だがあきらめる。

大きい白壁に絵が沢山飾られる。中央のSA口は測定のため白いグリルカバーを外したところで目立つが本来は白いのでここまで目立たない。

さて本題だが、こちらの「緑の家」の換気は10年前のAVH-85でまだ天井付けしかできなかったので、2階の懐に本体が入っている。上の写真はそこからのびるSA(新鮮空気吹き出し口)だが、開けて風量を再測定する。若干風量が10年前より下がっている傾向があったので、風量ダイヤルを上げ95%くらいで行う。

10年間40m3/hでフル使用したダクト内。ゴミ一つついていないように見える。

SAの内部ダクトはご覧のようにまだ新品のようになっていて全く問題ない。このことはもう何件も何か所も同じことを確認しているので、SAダクトは基本的に汚れて問題になる心配はないといえる。この家の全てのSAダクトも同様で下のとおり新品のように綺麗である。新鮮空気吹き出し口のふさわしい綺麗な空気を実証する。

2階のSA口。25M3/ hで24時間使用しておりこちらも新品同様に綺麗。

排気する空気を吸い込み外部に捨てるRAダクトとその口は流石に汚れがあり、比較すると問題があるかのように見えるが、RAの圧損にはSA側と違い相当余裕があるので、まだ汚れてもダイヤルを上げれば問題がないだろう。

RAダクトは汚れて当然。室内空気は綿埃などでよごれている。

何度も10年前から申し上げているがRAダクトはキッチンでいえば排水口にあたり、ここを通った空気は捨てられるだけなので汚くても問題ない。よくこのRAダクトの写真を撮って、ダクトが汚れているからダクトがある換気システムには欠陥があると説明する写真があるが、そういう写真に限ってSAなのかRAなのか明言していない。

さてようやく表題のサイクロンフードだが、この当時はまだ床下内に設置していない頃なので本体は天井裏になっている。するとOA口はどうしても地上から手が届かない位置になりがちだが、そこはメンテナンス第一の「緑の家」。しっかりと建て主さんでも手が届く位置に設置してありメンテナンスができる。

ピンクの矢印の所にサイクロンフードがある。
こんな感じで普通に手だ届く。ここへは2階の窓から直接出入りできる。

さて10年経ったサイクロンフード内がどのようになっているかを見ると・・・

サイクロンフードのサイクロン部分のカバーを外したところ。

予想通りの汚れ。ベンチュリのゴミ捨て出口も塞がれてなく健全で、この程度なら運用に全く問題がなく、多分15年経って本体が壊れた時まで掃除しなくと良いと思われる(15年連続運用)。但し以前ご紹介のように6年でNGな汚れるが多い地域もあるので、メンテナンスできるところに設置することは重要。

裏面のサイクロン部分もこの程度。普通のフードより多少多いくらいの汚れ。

この汚れを見ると「こんなに汚れているところから室内空気をとってくるの?」と言いたくなるだろうが、サイクロンフードだけが汚れるわけではない。全ての空気を取り入れるフードの10年経た汚れは同じ。このフードはここから120m3/hを24時間吸い込むが、ダクト式でない例えばロスナイ等個別分散タイプは分散した分だけ汚れは少なくなるだけで、合計すればこんなもの。汚れる事については50歩100歩で変わりない。それよりもこの汚れを除去できる位置にフードがある事が最も重要だとわかるはず。熱交換素子本体は掃除できても、屋外フードが掃除できなければこれと同じ汚れになる。

大気の汚れは、身近な体験では少し埃が舞うところで数時間マスクをしていると、鼻の孔付近だけが黒くなる。決して大気(屋外空気)は綺麗ではないのである。

水洗いはできないので、軍手でこすり掃除機で吸い取ると上のようにまでなる。どうしても水分と合致してへばりつくのでこれ以上は相当時間を掛けないと難しいので、今回はここまでで蓋をして終了。

サイクロンフードはその良さで近年よく使うようになっていると聞いているが、注文住宅最大手の工務店さんでも最近は標準と聞く。この使い勝手よいフードだからこそメンテが大事で、巷のSAフードは全て足場がなくとも手の届く位置にこるのだろうか?「緑の家」は高基礎を計画しているのでメンテナンスの大事さは誰よりもわかっているつもりであるため、できる限り建て主さんがメンテナンスしやすい位置をこれからも心掛け、計画換気をもう35年も設計しているのである。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする