以前もブログで申し上げましたが、熱画像撮影機は最近手軽に買う値段に下がったので建て主さんでも既に手にされている人も多いでしょう。その時に注意したいのが、
色だけ見て判断しない・・・
ことです。
上の写真は巻の家の熱画像です。外気温は氷点下に下がった今朝の旧巻町で、室内が25度以上のところから外壁を撮影すると・・・
ああー筋かい(斜めの構造材)までがはっきりわかる写真です。
この写真をみてこれは熱橋で問題ある施工では?と思わないで下さい。
写真をアップして温度をよく見ると、
温まった床温度が25.8度
筋かいのある部分の壁 23.7度
と僅か2度の差です。
それもそのはず。この筋かいの外には最高性能を誇るフェノバボードが60mmも外貼りされております。所謂外貼り断熱です。今の熱画像センサーは安価で高性能なので1、2度の差がこのようなハッキリとわかるのです。
一番下の真っ青部分は筋かいを止める金物があるところでそに周辺は土台が有りGW断熱材が設置できないので一番温度が下がります。それでも22℃・・・これは断熱性が普通の家でしっかり暖房しているときの壁温度です。つまり低い温度とは言えません。
これだけ色に差が付いてもスケールがそのように設定されているのでこうなります。
次は全く暖房機を使っていない2階の床温度です。所謂無暖房の2階・・・。
うん、全く均一の21.1度・・・。
ほぼ均一です。壁の荷物が置いてある奥のところが若干低くて19.7℃・・・。
巻の家では吹き抜けがありますが、積極的繋がりのない仕切られた吹き抜けです。仮に積極的な吹き抜けがあっても「緑の家」は2階も暖房機ONを推奨しております。伺った時の室温は1階が25度で2階が22度のような感じ、想定通り2~3度温度差が付き2階が温度が低くなります。
超高性能の家で床下暖房すると2階の暖房をONしないと2階が数度温度が低くなりますが、その関係で少しエアコンの話をします。
巻の家で氷点下に床面積32坪を1台で暖房している室外機の様子をみてみると
全くいつも通りで霜など一切付いておりません。
暖房負荷が低いのでこのエアコンの最大能力の半分くらい運転です。この付近を使って運転すると、エアコンに余裕があるので寒い時ほど暖かくならない暖房機(役立たず)になる事はありません。
無理に大きな不可で連続運転させると下の写真のようになります。
この霜が続くと、室外機が凍りつき最終的には止まってしまいます。
エアコンは決して最大運転能力で計画設置してはいけません。
「緑の家」は低温時最大能力の半分が最大負荷能力だと思って機種を決めております。となると一般的にはエアコンの定格時温度における最大能力の1/4しか無いと考えております。エアコンの特性からそのように計画設置する事がこの新潟では重要です。仮に6帖用のエアコンの定格時温度の最大能力が5kwあったとしたら、その1/4ですから1.2kwとなり、最低でも6帖用エアコンが2台無いと「緑の家」の断熱性能を持ってしても成り立ちません。だから最低2台が必要と何時も申し上げます。無論14帖用1台でも良いですがムラをつくらないためには2台以上が必要です。
あと先日ご質問で、
「床下暖房で床材(無垢材)が痛みませんか」
とありましたが、
「床下暖房での最大30度くらいで床材が痛むなら、日当たりの良い部分は全てダメになるでしょう。冬はともかくそれ以外の季節で日が当たる床は最大で40度にもなります。たぶん床が痛むと思われるのは、それ自体の素材が悪かったということです」
ということで、巻の家の床温(裏面で32度)では・・・
こんな感じです。特に普通・・・。
無垢材は一枚一枚特徴がありこの写真でもあるとおり、隙間がちょっとだけある部分と全くな部分の混在するのが普通です。が、しかしダメになるとかのレベルでは全くありません。床下暖房している家としていない家では特に差は有りません。夏は湿気で隙間が殆どなくなりますし、冬はRH(相対湿度)が低いので多少の隙間があり、毎年この繰り返しです。
無塗装からいい艶が出てきました。
では最後に・・・
家族の間見事なまでに均一化された床温の写真を・・・。
床下暖房用のエアコンは隣の洗面脱衣所にありますがこの通り・・
床温は全て23度と、測定誤差範囲内です。
こんな気持ちのよい床の部屋に浮いて使うハンモックが更に贅沢ですね。