先日発売された建築の技術雑誌で「建築技術8月号」。
この号では住宅技術評論家である南雄三氏監修の「自分でつくろうMy断熱基準」の特集があり、僭越ながらお声がけ頂いたので投稿した。
2ページであるが「緑の家」が10年間変わらない断熱性能を設計する根拠などを投稿させて頂いた。簡単に言えば日射を無視した計画でかつイニシャルコストを睨みつつ10年前(2008年)の暖房費を半分にする性能が基準となっている事を書いた。
他にも著名な人が様々な監修者の問いかけに応える形式となっていてわかりやすい。いつもながら巧みにまとめ上げる南流手法に驚かされる。
続いて今月号の日経ホームビルダー8月号であるが、こちらも興味深い記事があった。またもや荒井さんの記事であるが、
上の写真のような題がついており、
確かにいつも建物解体時にみるGW系の黒い汚れはカビだけではなく空気中の微粒子であるとの解析結果がのっていた。うーーんこれには少々驚いた。
どうしても現場を見る限りカビが原因と思っていたが・・・空気中の微粒子だったとは。確かに24時間換気でOAフィルターにびっしりつく黒いものに似ている。となるとGWがフィルターの役目?いやいやフィルターといっても壁内の上昇気流の濾過かも・・・。
洋服でもあるが、カビの生えたTシャツはその部分が黒くなる。これは洗濯しても黒いシミが残るのでこの黒はカビではなくカビがつくった副産物の色素ではないかと思っていた。だからこの黒いところには既にカビ胞子はなくてもその痕跡だと思い込んでいた。少し調べてみよう・・・まだまだ知らないこと、解明されていないことが多い住宅業界である。
コメント
いつも勉強させて頂いています。
黒い物がカビではないという事は、グラスウールを推奨する某団体では数年前から言われていたようです。外気が壁内に流入する施工がそもそも良くないと思うので、最近の実験のようにしっかり断熱材を密閉した状態で、結露によりカビが生えるのかが気になります。
大変手前勝手で恐縮ですが、色々調べて発信して頂けると嬉しいです。
ミノリ様
コメントありがとうございます。
>黒い物がカビではないという事は、グラスウールを推奨する某団体では数年前から言われていたようです。
なるほど、確かにカビの場合はあんなにきれいに黒くなると言うより点状で広がる傾向がありますよね。まだ建築業界の統一意思としてはもう少し時間がかかるでしょう。
>結露によりカビが生えるのかが気になります。
GWには防かび成分があるホルムアルデヒドが微量に検出されますから簡単にははえないと思われますし、築10年以上経ったときに拙宅の壁の中を見たときは特にはえておりませんでした。但し・・・おびただしい団子虫の死骸(ミイラ化)がありました。冬期越冬のため入り込んだと思われます。
また業界では20年以上経た高気密高断熱のGWの壁内を何度となく公開している会社も多く、それによれば健全なGW内ではカビの形跡はなかったとの報告がほとんどです。拙宅も10年経過時には特に問題ありませんでした。学会、業界も現在の所は適切な気密シートと防風透湿シートの施工と効果的な通気層があれば夏型壁内結露でのカビの心配は考えなくともよいとの見解です。
詳細にご回答して頂きありがとうございます。光栄に存じます。
論文も読ませて頂きました。透湿シートと通気層は大変重要ですね。
過去の記事も色々読んで勉強させて頂きます。
ありがとうございました。