Ⅴ地区新潟以南の超高断熱住宅は全て遮熱ガラスがよいかも その3 今だから出来る事

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その3は補足説明である。ようやく秋の気配となったこの頃。こんな時だからこれから新築を計画している人は試してほしいことがある。

この「遮熱ガラスがよいかも」を今なぜ申し上げているかというと・・・この時期になると午前中の部屋の温度は一般的に24度から26度になることが多い。この温度は超高断熱高気密住宅の冬期の室内温度となる。そして今時期は3月の中旬とほぼ同じ日射である。つまり超高断熱住宅の住まいと条件が同じくなる(高断熱住宅は室温だけでなく壁面の温度が上がる等)ので、この同条件の時に窓際で日射にあたって気持ち良いかどうか確かめてほしい。すると数分なら問題ないが、10分もあたっていると日射を避けたくなる一方で当然気持ち良く感じる人もいる。今からこの数週間だけできる実験であり仮に10月に入っていれば3月上旬の日射と同じく、10月中旬なら2月下旬の日射である。この日射にあたっていても問題なければ、新たに建築する窓ガラスは日射熱取得型で問題ないだろう。シングルガラスは約85%の日射熱が室内に入るが、ペアガラスの最も日射熱取得が大きいガラスでも74%なので10%強少なくなる事も考慮してほしい。

次ぎに紫外線の補足説明・・・まずは直射光(直達日射)と散乱光(天空日射)での紫外線の割合である。

気象庁のHPから

これによると日中はなんと散乱光が直射光より多いのである。散乱光は太陽の方角から降り注ぎだけでなく、あらゆる角度から降り注ぎ、水平に入ってくるものもあるし北の窓からも容易にはいる。つまり窓からの直達日射の火照り感より認知しがたい紫外線は更に部屋の奥まで届くことになるやっかいな光線である。

そして天候による紫外線の強さである。

このとおり薄曇りでも晴れとあまり変わりない紫外線の量である。明確な曇りなら半分まで低下するが、逆にその暗さのためレースのカーテンを開けていることで変わりない量を浴びている人も多い。

このことから紫外線は屋根や庇、カーテンで防ぐよりガラス自体で防ぐ方が効果的で安心できること、また曇りだから紫外線は少ないと思ってレースカーテンのない窓に近寄ると実際は晴れと変わらないくらいの紫外線をあびている可能性が高いといえる。だから紫外線カットの大きいガラスを採用することは、人は無論家具や床などを無意識で守ってくれる大変優秀な素材なのである。

「緑の家」の温熱環境性能はUA値0.15~0.29w/m2k以下と大変優れているので、相当省エネに拘っているのだろうと思われていると思うが、実は省エネだけに拘ることはない。当ブログでも実際省エネというキーワードも多くない。それはこの高い温熱性能の目的が冷暖房の消費エネルギーを減らす事ではなく、目的は楽しく豊かに暮らせることである。そのための手段の一つが超高断熱性能なのであり、いくら性能が良くても、我慢を強いられる生活があれば意味がない。その家とくらし方の条件を総合的に考えて窓ガラスを選択する事を薦めており、時には日射熱取得型を優先に計画もするが、概ね遮熱型のガラスがほとんどになる理由を3回に分けてご案内した。

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