2024.04.17修正。磁器タイルではなく陶器質タイルの間違いでした。お詫びして修正します。
本日竣工後13年経た「緑の家」に10年目メンテナンスでお伺いしてきた。
この頃(2011年)の「緑の家」はまだ「無難な家」という目標を掲げていなかったので、ご覧の通り少し尖ったデザインとしている。庭木も13年経て最も感じよくなったが、カラスが巣作りを毎年するのでそれが最も大変とのことで、少し選定する予定だとのこと。建物は地震に数度見舞われた地盤がよくないこの地(新潟平野の河川周辺全般)でもきっちり水平が保たれていた。
本題だが・・・
LIXILさんがタイル事業を縮小するようで、定番のタイルも昨年度で廃盤が多数出ているようである。その中に「緑の家」で使うド定番の「ミスティーパレット」も入ってしまった。
「緑の家」でキッチンの壁の半分はこのミスティーパレット。10年前にミスティーキラミックから名前が変わってミスティパレットになっているが、実質同じ商品を30年弱ほど継続的に使ってきたが、廃盤になるようだ。近年キッチンのタイル壁の需要は少なくなり、キッチンボードという樹脂仕上げの壁が主流になった。「緑の家」では標準がこのタイル壁なので時代とはいっても残念。タイル壁は汚れやすいとの誤解がある。最も汚れが気になるタイル目地は、30年くらい前からキッチン目地という専用の目地で汚れが落ちやすくなっている。しかもIHコンロなら汚れ方が少ないので以前のようなキッチンタイル壁とは別物。釉薬で仕上がったこの特別の壁はやはりきれいだと私は思う。
住宅業界の中で最近最も減った職種が「左官業・タイル」である。当然「畳屋」さんも激減したが、この20年で急激に落ち込んだのが「建具屋」さんと「左官屋」さんである。両方とも実は箱ものや店舗ではその「本物感」で変わりなく需要があるのでまだしっかり残ると思うが、住宅ではノークレームと省力化が進んだせいで激減している。「緑の家」では必ずといってよいほどある素材や仕上げなのでなんとも言えない気持ちになる。