今週末(9月28日、29日)の見学会の行われる本所リバーサイドの家の完成直前の細部打ち合わせに伺った。
玄関は高い位置(GLから1500)にあり、基礎より高く玄関ポーチ床が来るので玄関戸の下のシロアリ予防は、空堀空間を設けている。
玄関下は上の写真のように空間があり、そこを目視できるようになっている。もし蟻道ができれば上の板を取り外して蟻道を壊すことでシロアリ予防を行っている。
新潟県は冬季日中でも暗い日(日射がない)が多いので、明るい部屋を熱望するが、その時に最も効果的なのが「吹き抜け」である。そのため吹き抜けがある家が「緑の家」には多い。特に今回はその吹き抜けは家族の間となり、テーブルが主体となる。そのテーブルとカウンターを一体につくるご要望がありこのことで、まさしく「家族の間」として機能するお膳立てとなった。
使用した材料は3層スプルスパネルという積層板で、普段はかくして作る木口面を上手に生かすと、それ自体がデザインされた模様にように使える不思議な木である。
良かったのは窓が一切ない中玄関でも玄関が暗くならない事。その理由は、写真のように中仕切り戸に紙障子が使われたので、部屋からの明かりが玄関にまで続く。
そしてトーメイの大きなガラスが入った玄関戸である。
多分・・・玄関戸にこれだけ大きなしかもトーメイなガラスを入れる設計者はあまりいない。全国でも珍しいはず。しかし「緑の家」ではこのガラスの戸が大変多い。それは・・・日本的な文化の継承である。元々ガラスが比較的簡単に入手できるようになった大正時代以降は玄関戸はトーメイが多かった。それがマンションなど日中留守がちな家が増え、また防火の意味でガラスのない鉄製のドアになりそれが一戸建て住宅にも広がったのである。せっかく庭がとれる住いならトーメイのガラス戸もよいだろうと思う。
「緑の家」の外観の特徴として・・・雪国の設備庇(設備屋根)があること。これはエアコンやエコキュートのヒートポンプは積雪にめっぽう弱く、雪が室外機につくとCOP(効率)が極端に落ち込む。これを防ぐために庇をつける。コストは一か所あたり2~3万でこの下の写真の場合は12万になるが、これで効率が0.5~1改善されるので20年も使えばその差はかけた金額以上になる。
小さいことだが「緑の家」で大事にしている耐久性アップにもつながることである。