完成時の気密測定が基本。完成気密C値0.2と予想どおり。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2024.09.27 緑字加筆修正追加 

建て主さん立ち合いで完成時の気密測定が行われた。内側に開くドレーキップ窓。

JISA2201:2017の建物条件2で規定された方法で中間気密測定をして先回はαAが18㎝2だったのが今回の完成気密測定(建物条件2)では45㎝2と27㎝2増えている。これは全く予想どおりで本所リバーサイドの家の完成気密はC値0.2㎝2/m2となった。

こちらは完成時の気密測定結果のレシート。

最近は気密測定という試験がようやく市民権を得ているが、「緑の家」では27年間全棟で全て2回行っていている。その気密測定の正しい条件(規定)を知っているだろうか。

エアコンにはその構造上排水用のドレン管という管が室内から屋外に貫通している。建物条件2ではここは塞がないで気密測定をする決まりである。よってドレン1個の穴内径1.8㎝だとすると穴の面積は2.5㎝2となる。すると今回はエアコン3台あり7.5㎝2の穴が中間気密測定時より開いていることになる。また中間気密測定時に設置していなかったレンジフード換気扇は完成時には取り付けられているが、この換気ダクトは通常風圧式シャッターなので周囲に4mm(直径で4mm小さい)の隙間がある。とするとここだけで18㎝2の隙間があいていると考えられ、設備の隙間の合計は25.8㎝2となり、計算値25.8㎝2と差分実測値27㎝2の辻褄があう。つまり設備類の隙間だけでも0.1㎝2/m2ある。

こちらはJISの気密測定の方法の抜粋。

気密測定方法を定めた JISA2201:2017ではこれらの穴はテープなどで塞いで測ること方法(建物条件1と呼ぶ)と塞がないでそのまま図る方法(建物条件2とよぶ)があり、従来は生活条件にあった建物条件2で測られていた。私も設備で穴の開いたところは塞がない本来の実生活条件である建物条件2の測定のほうを支持する。当たり前だが建て主さんにとっては住んで、暮らした時の気密性能である建物条件2が重要である。外皮だけが高い気密性能でも実際の設備類でその気密性能が低くなっていたら意味がない。しかし昨今ではこのことを無視して外皮だけの気密数値(建物条件1)だけが一人歩き又はその明示がないまま表示されている。

つまり巷で完成気密数値が0.1㎝2/m2以下なら、その時の建物条件は1となるか、建物条件2でもエアコンのドレン管は性能の良い逆流防止弁を取り付け、またレンジフードは追加で電動気密ダンパーをつけなければ、一般的に考えられないほど高い数値がC値0.1㎝2/m2という気密性能数値である。

もし建物条件2の方法で測定して、ドレン管やレンジフードに電動ダンパ―をつけないでC値0.1㎝2/m2以下の数値が出たならその建物は隙間が全くない躯体ということになるのでそれは施工の精密さを誇ってよいだろう。

最も気になるのは気密性能の数値が上げ底状態となっている中間値の気密測定値を、そのままその家の気密として宣伝すること。これは眉を顰めるようなまがい物であるともいえる。なぜなら気密測定値とは設備類が全て取り付いた完成時に測ると規定されており中間時はあくまで目安測定であるからだ。

最後に稀にC値0.04㎝2/m2という小数点以下2桁表示をしている事例があるが、これは規定外のあまりよくない表示であり、もし計算結果が0.04なら0.0にするし、0.05なら0.1となる。これはJISA2201:2017に記載されている↓。つまり小数点以下は1桁が正式。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする