型枠前に3回もの配筋検査

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何やらいつもより派手な色の印がある鉄筋。これは検査の目視化。

通常型枠前の配筋検査は1回だが、月見町の家の配筋検査を3回行った。これは配筋の初歩的なミスから始まっている。

「緑の家」の基礎は一般の住宅基礎とは比較にならないほど配筋も形も特殊である。特にAグレードの基礎はダブル配筋のフラットスラブに基礎巾180mmの1.2m立ち上がりで、フック付きのせん断補強筋もある。木造住宅くらいの重さと地震力であれば、通常基礎にかかる剪断力は、コンクリリートの剪断力だけで充分である。特に「緑の家」の基礎高1170~1210の高さがある断面では余裕でクリアー。しかし一般のコンクリート構造物において梁、柱とも剪断力に抵抗するこのせん断補強筋は必須である。「緑の家」の基礎でもその標準鉄筋コンクリート造に従ってAグレードの基礎ではこのように剪断力を負担できるフック付きとしている。このフック付きは大手ハウスメーカーでは採用しているが巷ではあまりないので、配筋屋さんが間違ってしまったらしい。いつもの施工会社さんでも基礎配筋は毎回同じとは言えないのでこのような事が起きた。

せん断補強筋にフックとダブルスラブ配筋は巷ではほとんどお目にかかれない住宅の基礎配筋。

当然図面通りではないので(構造計算上も剪断力が負担できる条件で計算)、全てこの間違った縦筋を取り外し新たにフック付きの鉄筋を製作しなおした。それで2度目の配筋検査に伺ったが、この作り直したフック付きの鉄筋がどうしても現場制作部分が出てきてしまい、長さに不揃いが出てきて、下端の被り厚70mmと上端の被り厚50mm※から逸脱してしまっている箇所が多数あった。このため2度目の是正を行い、先日3度目の配筋検査を行ってきっちりと2度目の全数確認を行った。
※被り厚も法律最低の60mmが70mm、40mmが50mmと耐久性と遊び寸法を考えて10mmアップするのがAグレードの基礎。

全数のせん断補強筋の寸法をチェック。スラブもダブル配筋でせん断補強筋も本来のフック付き。

計測の終わった鉄筋に一本ずつ印(ピンクのテープ)を貼り付け確実な被り厚と位置を確保して終了。最終的には綺麗に直って他の細かいところまで目が届き結果オーライである。臨時に現場監督されテープ貼りに協力頂いた勝山さん、また建て主さんにはこの場でお礼申し上げる。

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