筋かいが悪者に・・・現場をもっと知ってほしい。

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2017年加筆
2016年暮れに国(調査チーム)が出した結論は、筋かい自体は問題ない。施工ミスなどが合ったため所定の耐力がでなかったとの事。

筋かいとは・・・耐震壁を構成する斜めの木材。法律では90×45(米松)の寸法が一般的。
九州の熊本地震で全壊住宅が多数あったのに対し、日本建築学会の調査チームが現地調査を行っているとの業界新聞での報道がありました。

その第一報は、
「私的見解で詳細はまだ不明であるが、「筋かいの壁倍率評価の再検討」の必要もある」と記事にされておりました。

これに対しては私は・・・

近年報道機関(業界の報道機関)の調査取材が足りないと思っております。

筋かいの壁倍率は10年間前に見直しがされ、この時も散々実験を行って決めた経緯があることを、業界人なら知っているはずです。その当時の関係者への取材は最低必要でしょう。

何が言いたいかというと・・・

実験で得られた試験の時と同じ材料や釘打ちで行われていたのに、それでも筋かいが必要耐力に満たないで壊れたなら話はわかります。でも違うのはないかと思うのです。それは・・・私がどの現場に工事監理に行ってもほぼ100%、筋かいとしてふさわしくない材料が1割以上の確率でつかわれております。つまり施工に(材料に)問題があるのではないでしょうか?

Dscf2779ふさわしくない材料を筋かいとして使われていた例。これなら簡単に座屈するだろう。左は15mmの余裕があったためOK。右は生き節ではあるがその大きさと斜め節なのでNG。

私共の設計では筋かいの部材は105×45で指定しておりますが、法律の規定では90×45以上の寸法指定です。つまり私共の指定が90mmが105mmと15mm大きいのは、多少の節やかけ、キズがあっても15mmの安全率でカバー出来る事ができるためです。15mm大きくてもカバー出来ない欠点のある材料が1割ほどあるのが現場の実態です。これが90mmだったら大凡ですが3割はNG部材です。

このように問題があるのは規定材料を使わない施工者にありますが、現実を知らないと机上の空論での議論になってしまうことなのです。合板がよいのは、筋かいのような製材と違い工場で均一に作られるので、現場の検査がなくとも大きな欠陥がでにくい事です。無垢の木を知る人が現場からどんどんいなくなる事が・・・残念です。

そこで、業界の専門誌であれば、裏付けや他の研究者に取材してから記事にする事を望みます。今はその手間を惜しむというか、私的見解と前置きがあるにも関わらずいった事をそのまま建築学会が判定したように伝えてしまう・・・。読者でそういった事を知らずに鵜呑みにする人は・・・筋かいはダメなんだ、合板がよいのか。と洗脳されてしまうことです。それとも何か訳あってそのように記事にするのでしょうか?それとも読者がもっと賢く記事を読めるようになることが重要なのか・・・。

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コメント

  1. 匿名 より:

    「筋交いのメリット」についてコメントさせていただいたものです。ご丁寧なレスポンスを頂きありがとうございます。
    面材に対する筋交いのメリットという聞き方は、ものを切るのにハサミとカッターのどちらが良いかを聞くようなもので、愚問だったように思えています。
    いずれを使うにしても、設計や施工のクオリティに依存する部分があまりに大きく、どちらを採用するかは、感情…強いて言えば設計者や施工者の習熟度で選択して構わない、という程度の問題なのかも知れないと思いました。
    常に正直に誠実にかつ最先端の情報を積極的に発信される御姿勢には頭が下がる思いです。
    どうもありがとうございました。これからも楽しみにしています。

  2. オーブルの浅間です。 より:

    無記名様、N様
    コメントありがとうございます。
    なぜ私が筋かいをよく使うのか・・・の理由はあまり科学的ではありませんが・・・感情ですね。↓。
    http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/q09-d51b.html
    2階内部はこの理由が大きいです。↓
    http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/ua026wm2k-8a3e.html
    筋かいの問題は↓
    http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-2828.html
    とか
    http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/2-7e12.html
    とかが有ります。
    「筋かい site:http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/」
    と「 」内をコピペしてアドレスバーに入れて検索すると、過去の「緑の家」筋かいに関するブログだけを拾い出す事できます。
    「筋かい」に変えて「床下エアコン」にすればそこだけもできます。凄く便利な検索ですのでお使いください。

  3. N より:

    施工不良というのは全くその通りかと思います。
    そもそも工場勤務の発想からするとあれだけ複雑なものを外部監査なしに作れてしまうこと自体問題です。家造りで明確なチェック機構や第三者検査、つまり施主が業者とは本当に無関係な『まともな』インスペクターが検査して初めて完璧な施工がなされるのではないかと思います。

  4. 匿名 より:

    いつも楽しく拝見しています。
    新築を検討中ですが、こちらのブログはかなり参考にさせていただき、大変お世話になっております。
    おっしゃる通り、筋交いに適当な材を使用していたか、また金物やその取り付けに不備があったか否かの調査なしに一概に筋交いを悪とするのは違和感を感じます。
    一方で、面材ではなく筋交いを使用するメリットというのは依然あるものなのでしょうか?
    素人考えですが、コスト的な優位性も大きくあるように思えませんし、断熱材を入れるのに手間がかかるとか。。
    我が家も筋交いになりそうなので気になってコメントさせていただきました。