築10年目でわかる超高断熱高気密住宅で引き違い窓のリスク

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栃の木の無垢のテーブルに置かれた一杯のコーヒーの香りが心地よい

先日お引き渡しから9年と11ヶ月の「緑の家」の有料点検に伺ってきた。10年経過すると瑕疵担保保険がきかなくなるので10年前にメンテナンスのご案内をしている。そのメンテナンスの終わりに頂いたコーヒーがとてもおいしかった。

竣工時に設置された栃の木の無垢テーブルが、艶々でとても気持ちよい。オイルフィニッシュで仕上げられてから一度もオイルを塗っていないと聞いたが、使えば使うほど艶が出るのが無垢材の良いところである。

目の前の大きな窓から見える豊かな新潟平野の田んぼ・・・。実はこの窓先の景色の話題から

「浅間さん、実は最近この引き違い窓から外部の音漏れがあり、風が強いときにはすきま風の音までするんですよね。やっぱりパッキンがそろそろおかしくなってきているのでしょうか?」

といわれた。続けて

「新築時にはこんな音しなかったのにちょっと前から音漏れが気になります。引き違いの戸全てそんな感じです。」

この当時は既にドレーキップを中心に窓を計画していたが、ここは大きな障子が入る設計であるため意匠と機能からあえて引き違い窓を計画していたのである。

上の写真通り紙障子が入らない2階の大窓はドレーキップ窓で、下部の紙障子のところだけ引き違いサッシとしている。これは当時意匠性や使い勝手から引き違いとしていたが、近年は防火窓の時はやむ得ないがたとえ紙障子が入るところであろうと、ドレーキップ窓を基本的には設置する。当時明確な知見が内とは言えども今となっては大変申し訳ないと感じる。今このように気密に対する悪化情報が多くある引き違いサッシを勧めることはとても慎重になるべきだと思っている。またこの景色と引き替えに雨風が大変強くあたるので、外壁で2階窓下の小割材の外壁が一部干割れしており交換が必要になった部位があった。今回は縦貼りであり横貼りだとこの部位は小割材ではないが、縦貼りだと出てくる部位。逆に縦貼りだとでてかない部位もあるので張り方で一長一短はある。

次に小屋裏の件であるが高住宅住宅で建物の傷みやすい部分として屋根下部分があるが、今回は強風で一度棟換気が外れてしまった事もあったので、高い脚立を用意して小屋裏も目視した。

チェックした結論として・・・全く問題ない。綺麗に乾いており、カビもない。唯一棟換気が外れた際に雨が入っていた部分だけは少し変色が見られたが、現在は乾いて特に問題ない。オーナーさんにも上がって見て頂き安心されたようだ。

竣工当時と変わらない色の健康的屋根下合板。断熱材はセルロースファイバーを厚さ45cm敷き込んである。

もう少し様子を見たい引き違いサッシのパッキンであるが、このサッシメーカーのエクセルシャノンさんが先月YKKさんにパナソニックさんの建材部門とともに丸ごと買収され実質子会社ななった。このためサッシ種類の統一が将来進むと思われる。そうなると今まで創業以来40年以上サッシ形状を変えずにいたエクセルシャノンさんの引き違いサッシが数年先はなくなる可能性が高くなってきた。このためパッキン交換を既存製品がある間に行った方がよいと判断して交換見積もりをお願いしている。大企業は突然方針変更していつも振り回されるのは我々とエンドユーザーさんである。

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