
1月の終わりに埼玉県川越市に建築中の平屋の「緑の家」に防水検査に伺った。当然関東平野は晴が続いている季節なのでこの通り晴天・・・が、

一週間後にはこのように積雪5㎝になるほど雪が降った。
これを見てやはり今後の気候変動で、12年以上前(2014年2月)のように積雪30㎝以上積もる時はあると思って、屋根にはしっかりした雪止めを設計している。

これなら雪が滑り落ちやすいガルバニューム(SGL)葺きでも雪が屋根から落ちて車や人に被害が出ることを防ぐと考えている。
その雪だが、雪が積もった時にガルバニュームの屋根は瓦屋根より結露しやすい欠点がある。関東のようにたまにしか降らない地域は全く問題ないが、新潟県のように雪が屋根に残っている時に外気温が上がると、大気の露点も上がり露点が氷点下以上になると、ガルバニューム屋根裏で結露を引き起こす。実例としては・・・

昨日の事務所のカーポートだがまだ雪が残っている。


この時屋根裏面の温度は金属の熱伝導が高いためほぼ雪と同じ温度になる。
つまり氷点下0度付近と考えられるので、結露をすることになる。一昨日の外気は気温6度で露点温度は2度になっていた。この撮影時には気温6度で露点温度が氷点下1度時、ガルバニューム屋根の裏面表面温度を測ると・・・

とやはり氷点下3度をしめすので結露するにはあたりまえである。念のため外壁を測ると、

倉庫の外壁だから内部も一応外気であるため通常外気と同じくらいだと想像していたが、0.3度と外気より低い。この計器の物質に対する放射率の設定(設定は黒塗装面の0.95)が正しくないせいもあるが、天候が日中でも曇天だったため放射冷却状態だったのだろうか・・・。
いずれにしても住宅のしっかりと換気されている小屋裏内でもこれと同様の条件になることがあり、雪国の屋根裏で結露していることがある。これを少しでも和らげるために「緑の家」ではガルバニューム鋼板(ゴムアスルーフィング)の裏が直接構造用合板ではなくシージングボードを敷いて少しでも合板が結露すること防ぐ対策を事務所設立以来行っている。このシージングボードは吸音効果もあるので当初は雨音防止の効果で設置しているものだと思っていたが、実は結露防止に大きな効果があると感じている。今度このデーターをとりエビデンスとしたい。

話は川越市の「緑の家」に戻るが、防水検査はほぼ問題なく一か所だけスリーブの水勾配の甘いところがあったがその他はOK。そもそも防水はある程度どの施工会社さんでも問題ないところまで技術が安定している。そのせいか「緑の家」では2009年以降建築した「緑の家」において雨漏れは一度もない。ただ棟板金が台風を含む強風で飛びそこから水が浸入したという風害があったのみ。
さてこちら川越市の「緑の家」は「川越桜堤の家」という名称で建築されている。これは敷地のほぼ真西側に桜並木があり、その桜並木を愛でる窓が西側に計画されているためである。したがって関東の定番である南窓は大きくなく、西窓に大開口部を持つという冬期に晴が多い関東では掟破りのプランである。


オーブルデザインがこの計画をご提案したのは、敷地西側が「市街化調整区域+農振地域」であり且つ水路や公道に接することが難しい配置からみて、この西側の土地が宅地開発されにくい条件であるため、長い間この桜並木を独り占めできると考えたから。一方南側窓は同じ「市街化調整区域+農振地域」ではあるが、条件さえそろえばこの土地のようにい建物はすぐに建築され、窓からの外は他の家が目の前にくる風景になるため。それを基本設計時にお伝えして賛同得ることができたのである。このように窓の配置はただ単に日射が入りやすいことが第一優先とはならない。拙宅も真西に大きな窓面をもち、日射は遮熱ガラスと簾の併用で西日問題はない。


