わざと画像を荒くしモザイクをかけてあるので見にくいと思いますが、1階が車庫でその上全てに2階が乗っている計画です。通常このような場合は、1階の耐力壁と呼ばれる地震に抵抗し壊れないようにする壁は、両脇にあるのが普通です。また最近は剛接(一番下写真)と呼ばれる接合で耐える方法もあります。
がこれは、そのような計画がなさそうです。両脇に45cm程度の壁らしきものがありますが、法律的にも、構造的にもこれでは耐力壁とはなりません。
5年前におきた中越地震のときに、比較的新しい建物が倒壊又は半壊したものは、このように1階が大開口部(車庫や店舗)があり、耐力壁のバランスが崩れていた建物でした。
それを学んだ新潟県人は、ここ数年このようなアクロバット的建物は慎しんできましたが、「のど元過ぎれば何とやら・・・」で、再びこのような建物が建築され始めました。
これを見ている皆さんは「確か、建築基準法が改正され、みんな地震に強い建物になるように、行政の確認申請チェックが厳しくなったのでは?」と思われると思いますが、このような普通の木造建築は、行政では耐震性のチェックをしません。つまり耐震性については行政は全く関与しません。(←そういう法律になってます。)それが問題になって来ているので、国では最近、「長期優良住宅」という耐震性を行政でチェックする住宅が優遇される政策を推進してます。
もしこのままこの建物が耐震性に配慮に配慮されることなく完成したら残念です。
この写真は、大開口部を剛接にした「緑の家」の柱と梁。柱部分は直接基礎に16φの太いアンカーボルト2本で固定され、梁と柱は、アラミド繊維で補強されています。