「 2009年07月03日 」一覧

自然素材の不思議 新潟の住まい 天然素材と自然染料でのこと

  「緑の家」の床や枠は基本的に無塗装が多い。それは年月と共に味が出てくるため、ゆっくりと天然素材を楽しむところから来ている。決して急がないことを大事としているが、時には建て主さんのご依頼で急ぐこともある(つまり時間が経過したような色をつけること)。

写真は木にブラウン系の色をつけたインテリアとするために、染色と呼ばれる作業をしている現在進行中の家内部。一般的には「塗装」と表現されているが、あえて染色と呼ぶ。それはこの色をつける工程が「染物」の工程に似ているから。

上の写真の黄色い丸の中の色は明らかに違うことがわかる。ところがこれが7日くらいたつとほぼ同じくなる。というのは、最初に塗った染料が、仕上げに塗る渋の力で酸化促進され、色が変化するから。まるで染物と同じ。染料の中に布ををいれて引き上げると最初は「ぱっと」しない色。なんか変と思いながら乾かし数日経つと鮮やかな色に変わる。染物をしたことがある人なら経験があるあるはず。また布の素材でも変わる。木もまったく同じで、木の繊維の性質によって、また樹脂によって色が変わるのである。

昨日、職人さんが驚いて事務所に染色したばかりのサンプルをもってこられ「色がぜんぜん違う」と言って心配されてきた。あまりにも波動が強かったため、心配がこちらにも移り、染料メーカーに急いで確認。するとその心配がメーカーにも影響しいまいち歯切れが悪い返答。しかし次に対応した責任者らしき人が「大丈夫。渋を塗り時間が経てば色は変わる」というものだから、トーメイな渋を塗りサンプル見ながら事務所で議論しながら30分位。すると、どんどんサンプルの色が変わってくるのがわかった。みんな絶句「・・・」。そこで思い出した。そういえば、数年前にも使ったときそうだった・・・。

さてこの染料は「久米蔵」というものである。詳しくは下の写真をアップして読んで頂きたい。完全水性系で、渋を最後に使うので最初は少し「すっぱい」匂いがするが、7日経てばなくなる。染料なので乾く前に手につくと、なかなか落ちない(落ちたら困る)。価格は自然塗料(アウロやリボス、オスも)より50%増しであるが、日本古来の染色方法であり、その染色後の触感もほとんど無塗装時と比べ遜色ない優れもの。但し艶は光沢は一切ないのでピカピカが好きな方には向かない。蛇足であるがよく無垢床用に販売されている「蜜蝋」が入ったワックスは絶対塗らないほうがよい。私は以前とても懲りているし、塗った人の経験談でもそのように言う人が多い。これは「蝋」と言うものが常温で固体であるがゆえに悪さをする。つまり蝋を塗った木の表面が気持ちいいかどうか想像していただければわかるはず。蝋は皮膚呼吸を止めるくらいの強い作用がある。人の肌には合わない。蜜蝋ワックスを勧める人は、木の気持ちよさをわかっていない。

この染料と出会えたのは、柏崎Tさんのおかげ。ありがとうございます

また次の日は外壁がやはり天然素材だったのので驚くことになる。この続きはまたこの次に。