最近の業界情報を見ていると大手ハウスメーカーの太陽光発電パネル付きの住宅販売が好調ということです。特に太陽光パネルのディスカウントで1kwあたり30万相当で設置できるようなおまけもあるようです(多分建物本体の価格に入っているのでしょうが)。
現在は太陽発電パネルで発電された電力の中で、自分の家で使用した残りの電力が48円/kwhで10年間購入させる法律があります。このため以前ご案内したとおり、昼間は全く電力を使わない方が随分お得になります。
そして補助金もあり、エコ製品ということで大手ハウスメーカーは太陽光発電パネルの営業で説得し、設置率4割以上と市場は沸いております。
しかし以前からお伝えしているように、太陽光発電パネル(ソーラーパネル)は新築後いつでも設置可能ですが、超高断熱の工事は、新築時にしかできないくらい内部工事と絡みます。ということは、後で断熱強化したくてもできない事になります。特に大手ハウスメーカーの構造は、一般の建築士が手を出せない特殊な構造ですから尚難しいでしょう。
では、次世代断熱基準を満たした住宅で太陽光発電パネル設置と高気密高断熱の2から3倍の性能を持つ超高断熱住宅のコストシミュレーションをしてみましょう。このシミュレーションは太陽光発電の売電、メンテと年間冷暖房費、メンテのコストを積み上げました。
太陽光パネルは仮に100万(通常は180万)で3kwという格安で設置できたとします。また太陽光発電パネルの寿命は25年とし、10年までは48円/kw、11年目から24円/kwに戻り且つ発電効率が5%落ちた事で考えます。一方超高断熱(普及タイプ)は施工費4万/坪アップ(160万UP)として家の大きさは37坪前後です。この比較では太陽光発電パネルの補助金を入れた相場50万/KWより相当有利にしてあります。また、冷暖房費用(電気代)は11年後に20%のアップ、20年後に50%のアップ、30年後にはおおよそ2倍としてます。
結論は太陽光発電がコストで概ね30年間有利ですが、30年以降逆転し、その差はどんどん広がります。やはり家の建て替え寿命は30年として見ているのでしょう。このシミュレーションデータがそれを表しているようです。30年使えばあとは建て替え。だから大手ハウスメーカーでは太陽光発電パネル設置が一押しということなのでしょう。
下にグラフの元となった表を載せます。あくまでもこれは今回の検討のためだけにオーブルデザインが描いた簡単なシミュレーションです。太陽光発電の家は窓の性能が落ちても気がつかないのでメンテナンス費用は0円です。
実はこのコストの事よりも最も大事な事は、竣工後では施工できない「超高断熱」の快適さが30年以上も全く違うことです。これは数字ではなかなか現れませんが一番重要ですね。そして竣工後では施工不可能に近い超高断熱工事。これに尽きます。
太陽光発電パネルは、資源のない日本にとってとっても大事な発電方法です。是非国民としてその設置に参加、応援したいのですが、先ず基本は使うエネルギーを少なくする事です。その次に再生可能簡単なこのようなエネルギーに投資することであると考えます。強引に車で例えると、燃費の良い車を選ぶことが一番で次に屋根にソーラーパネルを設置する順番だという事です。