ZEHの太陽光発電パネルのリスク
 国総研資料から 片流れにはしない!

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大量の太陽光発電パネルが急激に設置され始めた2010年以降、住宅の屋根に「片流れ」形状が増えました。しかし大量に太陽光発電パネル(ソーラーパネル)がその片流れ屋根に設置された場合、新たな障害を引き起こすことが報告されております。

それは、小屋裏の野地板の結露・・・所謂夏型結露です。またもや業界が想定外と言いそうな事です。

詳しくは上の報告書をご覧ください。

解決策は、

A.片流れを止め切り妻屋根にする。

B.小屋裏換気を多くする。

C.下葺き防水シートを透湿防水シートにする。

とあります。

・・・

しかし注意が必要です。

図中青のアンダーラインで示した所にこれから説明する矛盾があるからです。

この同じ国総研レポートの後半には、このCで規定された透湿防水シートの衝撃的な結果も記載されており、Cでは夏型逆転結露は防げても釘穴からの漏水のリスクは高くなる指摘がされております。

屋根に使わないAF(アスファルトフェルト)やMFは当たり前だが、透湿防湿ルーフィングも漏水。改良系アスファルトルーフィング、フェルトは漏水無し

このリポートは衝撃的な内容で、機会を設けてもっと詳しく説明を致しますが、「緑の家」で標準指定されている「改良アスファルトルーフィング」(通称ゴムアス)と比較すると、屋根材をとめつけたり、このシート自身を留めつける釘(タッカー)穴から漏水防止性能が殆どないともいえます。

ですので、ZEHで必須のソーラーパネルを大量設置する時は、

A.片流れを止め、切り妻屋根にする

B.小屋裏換気を規定の1.5倍程度にまでする

C.改良アスファルトルーフィングを使う

D.Cに変えて透湿防水シートを使う時は表側の換気も注意する。

が無難でよいかと思います。

ZEHとなる家の小屋裏の換気量は通常図面で確認出来ます。

ZEH申請時(必須となる長期優良住宅認定において)には上のような算定式と軒裏換気口の配置図がある。

ソーラーパネルの設置で屋根貫通部分が将来の問題となると言ってますが、条件がよければ、下の報告書のように28年経ても止水性に問題ない事例も紹介されています。但し新潟県のような積雪による引き下げ荷重による継続的応力の無い地域のようです。

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