査読論文から  家庭分野Co2削減のシナリオですが・・・

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2011.09.23誤字文脈加筆修正Dsc03211

何回かご紹介している査読論文です。

そして一番新しい論文集から今日はご紹介します(私見解なので各自様でその内容をご判断ください)。

最初に「CO2削減のシナリオ」と表題に有りますが、このブログの常連さんは私が「地球温暖化防止」についてはあまり興味が無く、逆に寒冷化より温暖化が好ましいのでOKと主張していることはご存じだと思います。ではなぜこの論文を取り上げたか?

1.CO2削減はエネルギーを効率よく使う技術が多いのでこれは賛成

2.この論文者は村上周三氏が共同発表者なので。

3.原発推進者に利用されないためにあえて私見解で解説

です。

Co21

まず1.の「CO2削減はエネルギーを効率よく使う技術が多いのでこれは賛成」では、原発が世界的に収束するなか、日本の産業を支える技術は「高効率化」にあると思うからです。
多分この福島事故を受けて世界的に化石燃料がある期間(10年か?それ以上か)値上がるはずです。この時、物作りで日本を支えるとしてたら高効率機器(材料、システム)しかないでしょう。現在も得意な分野ですから。

2.の「この論文者は村上周三氏が共同発表者なので」とは、村上氏は建築環境系学者の中では一番有名な人で、その影響力は絶大です。よって村上氏が理事長であるこのグループ(建築研究所)の書く論文は今後の建築分野で大きな影響があるはずなので、とりあげます。

3.の「原発推進者に利用されないためにあえて私見解で解説」とは、先にこの論文の結論を言うと、
「民生家庭部門の低炭素化には、電力の低炭素化が一番の影響を及ぼし、これなくしては削減不可能」
との結論です。よって原発推進者がこの論文で「やっぱり原発は必要」とならないために先にその私的意見を伝えたくて・・・です。

さあ、さきに3から私的意見をいうと・・・

そもそもCO2を無理に削減する必要はないので、削減するために原発が必要という理論はハナからありえない
と言うことですね。何度も言いますが

CO2が多く排出されても生命の危機を及ぼす影響は殆どないけれど、原発が事故をおこしたら生命にの危機となるし、事故が起きなくてもその廃棄物処理のため地球上で使えない(近づけない)地域が増え、それは10万年も続くと言うこと。このリスクは比較にならないほどの違いですね(比較したがる環境学者もいるけどね)。

さて、ようやく論文の紹介です。

まずは結論(まとめ)から

電気を多く使うご時世ですからね。その大元の改善が重要ということです。単純に原発ではなくコージェネで地産地消などが望まれます。

上の図のように今の住宅内では電気を使う家電製品が多数。また、オール電化住宅の流れは今後も続きます。家電製品はこれから増えることはあっても減ることは無いでしょうからね。

但しこの家電製品がCO2に影響を及ぼす結果は全国平均のCO2排出量であり、東北、北陸、北海道ではやはり暖房、給湯も大きい要素です。

次にどんな家庭内製品が削減に寄与するかの1番は・・・高効率家電です。

2番は・・・太陽光発電です。

このシミュレーションでは2050年には新築の全ての家と既存の家の多くに乗せる事で仮定してます。そうなれば当たりまえですし、そうしなければ目標削減は不可能です。

上の図は下の表の概要に沿った内容です。

2050年にはエコキュートが全ての家で使われるという条件が25%シナリオ②と③です(本当に?)。ガス給湯器は無くなります・・・。ちなみにHEMS※は殆ど意味がありませんので表から削除されてます。

※Home Energy Management
System(ホームエネルギー管理システム)の略。家庭におけるエネルギー管理を支援するシステム。住宅内のエネルギー消費機器をネットワークで接続し、稼動状況やエネルギー消費状況の監視、遠隔操作や自動制御などを可能にしている。大手ハウスメーカーが盛んに宣伝しているシステム。

さて、ここで大事なことはこのエネルギー消費の条件は、現在の生活水準での消費だと理解してます。だから新潟では殆どの人が冬は寒い家で少し我慢して部分暖房、夏は暑い家で我慢して少しだけ冷房を使う事が前提です。私は今と同じエネルギーで冬は寒さ知らず、夏は暑さ知らずの24時間家中冷暖房を考えてますので、太陽光発電つければOKという我慢する生活の考えではありませんね。だから超高断熱高気密住宅をお勧めします。

そしてオーブルの想いは(論文から得られた想い)・・・

「そもそもCO2削減目標がおかしい。世界的に原発が無くなるので、高効率化してエネルギー輸入価格が高騰しても日本が沈没しないようにする技術・システム目標に変える」

でしょうね。

さてこの原文はネット上に堂々とあげる訳にいきませんのでもしご興味ある方はこちらをこそっとご覧ください。少ししたら削除します。

この論文は今後の仕事に影響を及ぼし、また役に立つありがたいもので、とても感謝です。

PS
この査読論文は多分・・・3.11前に既に書き始めていると推測できますので震災の影響は殆どないと思われます。

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