薪ストーブを着火後から30分くらいは暖まっていない本体、煙道のせいで煙りが確実に出る。
「ちょっと突っ込んだ薪ストーブのお話」の続きです。
どんなに高性能な薪ストーブで、乾いた堅木を使っていても、着火時と、薪の挿入時には多少煙と匂いが発生します。これは電気を使わない原始的な燃焼器具の宿命のようなものです。
この時だけなら煙りが空に向かうのでまあ大丈夫と考えてはいけません。下の写真は着火後10分くらいの煙突の煙状況ですが、アメダスどおりの東南東の風でその通りにたなびいておりますが・・・
10日の朝8時30分頃
その15秒後には強い匂いと共に、煙りが地上にいる私に向かってきているのがわかります。
晴天時ほど下降気流になり、風が少しあるとゆらぐ。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、煙は風のゆらぎと明け方の下降気流で地上に降りてきます。この時にご近所さんがあれば確かに「煙い、匂いが・・・」と言われる事があるでしょう。風や気流は常に揺らいでおりますから、机上の計算どおり煙りが流れるばかりではないと言う事を考えて設置するかどうか計画しましょう。
さて、人が住んでおらず、断熱材がなく隙間穴だらけの「て・こあ」では暖房時にどのような温度が一日維持されるのかを調べてみました。普通はデータロガーを使うのですが、それではインパクトがないので、写真に納めました。
まずスタート・・・
朝8時10分室温1.5度(外気は氷点下-2℃)
10帖+10帖+8帖+20帖(土間)=合計平均天井高4m以上で48帖を、
石油ストーブ5kw+6.6kw+薪ストーブ6kwで合計17.6kwで暖房。
温度計は床上40cmに設置。
8時10分(着火前 外気温0℃)外気とほぼ同じ(笑)
9時20分 少し上昇
10時20分
12時10分
13時10分
14時20分
15時30分(外気温2度)
16時頃(この40分後ストーブを消す)
18時分頃(ストーブ消後1時間20分)
このストーブでの安定到達温度は15度のようです。この温度になるまでに6時間を要します。ですのでつけっぱなしで24時間暖房すれば少し寒いというそこそこの環境でしょうが、朝つけて、数時間で消して、又夕方につける方法では動いていても大変寒いと感じる環境です。つまり付けっぱなしが本当は求められ、断熱材がない天井が高い築100年の家でも、力任せに暖房を長時間すれば、何とか暖められる事がわかります。上下の温度差は聞かないでください・・・。この時の燃料消費量は灯油11Lと薪13~16Kgくらいです。