今日から日曜日までの上空1500mm(粟ヶ岳くらい)の気温の変化。既に12度の気温になっている。
昨日の記事の裏付けで、今日から外気温が19度をしたまわる朝が連続するので今日明日から秋風に変わり、先取りが好きな「緑の家」のオーナーさんは24時間空調をOFFする人もいるでしょう。
さて、先日の高断熱浴槽の論文でふと思ったことがあります。
どうしてUbtを算出するときに浴槽を密閉して温度湿度は成り行きでお風呂の蓋を開けなかったのだろうか・・・?
定量化するときには出来るだけ影響因子を絞って行った方が、明瞭かつ簡便に算出する事が出来ます。そう考えればこのような条件で実測した理由は理解できます。つまり普段私達は浴槽の蓋を開け更に浴室の扉を全開にして数時間放置している事はまずありません(子供が開けっ放しにするときはありますが)が、定量化するには必要な第一ステップであるということでしょう。
なぜこの点をもう一度考えたかというと・・・
論文中に蓋締め時で高断熱浴槽とそうでない浴槽で1/6の差がついたとの下りがあります。しかしその時の条件は一般的な日常生活で起こる状態では無いことです。
お湯の温度降下は気化熱による影響が一番大きいとわかったのですから、蓋を閉めていたときに浴室が密閉状態なら浴室内では相対湿度は一気に上昇し、相対湿度が100%近くにあがる事で気化が阻害されます。またこの時浴室の壁が無断熱であれば、結露が起こり空気中から水分が取り除かれ相対湿度が下がる事になります。するとこんなに差が出ると言うことは普通は無いでしょう。また密閉していても換気扇が廻っているのでは・・・との考えもあります。この場合どのくらい実際の換気量も関係あるでしょう。また浴槽のみ断熱されていても、浴室の壁や天井が無断熱であって壁が熱損失が大きい場合、壁や天井の結露によって気化が促進され、高断熱浴槽を使っていても湯温の低下が多くなるでしょう。実験の状態は、浴槽のみ評価であって、
・浴槽の蓋を閉め、
・浴槽に接している空気は浴室が常に一定の温度、湿度になるように戸が全開
という条件です。
このように様々な因子によって変る事と、定量化するときは様々な因子を取り除く事、この相反する実験条件設定の難しさを私達専門家は理解して鵜呑みにしないことが大切です。