何時もの日経ホームビルダー7月号から 
CF(循環ファン)と火打ち

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先月「日経ホームビルダーさんのCF(循環ファン)への取材があった。7月号に載る予定」

と伝えたが昨日手元に7月号が届いた。

このブログを書く前に読者さんから既にこの日経ホームビルダーを読んだコメントを頂いている。こちらが遅くなって申し訳ないと思ったが・・・この本の発売日は今日だから「早すぎるコメント」である(笑)。

矢印先がCF(循環ファン)のこと。写真は日経ホームビルダー7月号の見開きを撮影。

私達専門家でも換気の事はとても難しい・・・。だからこそ法律で24時間換気が全ての住宅に義務づけられてから10年経過してもまだ様々な問題が浮き上がる。しかもケースバイケースで複雑となるから厄介である。そんなことを承知で記事を書いている日経ホームビルダー記者さんには「勇気がある」と取材当日にお伝えしていた。

そんな事を考えながら中を読むと・・・

イヤー・・・やっぱり換気は様々な問題をまだかかえていると思う。何しろ供給される空気が目に見えないものだから、その検証は何かおかしいと思って調べたり、偶然遭遇したり、住まい手さんからクレームを頂いてわかったりと様々・・・。

特に記事内で目についたのが「カタログでは最高熱交換率91%なのに、実測して推測すると19%?」という衝撃?記事もあった(パソコンのファンが付いているような微風反転タイプの熱交換システムらしい)。元々カタログ上の熱交換率は、最もよい条件が重なった時の記載・・・又はここで紹介しているように通常の全熱交換型換気システムではまずあり得ない事。鵜呑みにしてその数値を信じていると痛い目に遭う。また全熱交換型の交換素子は大変デリケートなので少し使用すればそれなりに数値は下がると私は思っている(今後そのような論文が出てくるだろう)。だから私は熱交換率の数字を細かく追い(業界最高などの記載)、期待することはまずない。それよりもメンテナンスや寿命がきたときの交換の容易さなどのほうが大事である。無論しっかり安定して換気される事は前提である。

さて肝心のCF(循環ファン)の記事だが・・・

流石という感じでまとめてある。私が口頭で簡単に説明したCF(循環ファン)のシステムをすぐにポンチ絵として起こして載せているし、その図は正確である。

ただ・・・実はCF(循環ファン)の本質は浴室乾燥を出来るだけ早く行う事と、特に夏の空調時のエネルギーロスを1/10以下にすることと低湿度化に貢献することである。「新潟県では」であるが冬の加湿は特に大きなメリットとはあまり感じられない・・・が国民の約70%が住む太平洋側の冬期では大きなメリットになるのだろうからこれで良いのかも・・・。

そして・・・今回の日経ホームビルダー7月号で最も驚いたのが・・・

写真は日経ホームビルダー7月号から

恥ずかしながら・・・・

2016年6月に建築基準施行令が一部改正され

「火打ちが要らない場合が明記された」

とのことを知った。

これは住宅を多く業務する建築士(浅間)として恥ずかしいこと。

ある条件が整えば、現在仕様規定で必須だった「火打ち」が必要無いと改訂されていたのだ。

「緑の家」の吹き抜けでおなじみの大量の「火打ち」・・・。

そこである建物を調査をした会社さんが「あれっこの建物火打ちが一本もない」と疑問をもったところから記事はスタートしている。確かに私もそう思うだろう。建築物の法規の大元である建築基準法の改訂は常に気にするが、施行令や告示の改訂はよほど住宅に関連がなければ、気にすることがなかった。特に今回のように私がとても大事にしている「火打ち」を省略するという必要性を感じていないので、きっと気にもしていなかったのだろう。なるほどそういうことか・・・?よくわかった。ホントに何時も助かる書籍である。

多方面に取材を行い内容も濃い今月号も「買い」の日経ホームビルダーである。もし興味があれば購入先はこちら

業界関係者以外一般の方にも一読をお勧めする。

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