温熱シミュレーションでCFの効果を確かめる。

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上はある「緑の家」の年間の冷暖房費のシミュレーション。

温熱シミュレーションとは・・・

家を建てるにあたり、その土地の環境の中で、どのくらいの冷暖房費用がかかり、各部屋の室温がどのくらいなるか(計算で)想像することである。

当然冬は日射も暖房として使いつつ下図のとおり隣の家の影等を含んでいる。

隣家でおきる毎日の影もシミュレーションし計算する。

当事務所のある新潟県の冬期は日射がまず望めないことから、断熱性能や窓の配置などは特にシミュレーションしなくても良い。これは新潟県に暮らして55年の経験があり脳内シミュレーションできるからである。しかし関東など立地の気候が変わると日射の影響は大きく有効で経験では推し量れない。よって温熱設計はシミュレーションソフトを使用する。

今年は関東のしかも太平洋側に近い所で設計する建物があり、それについて裏付けを取るため温熱のシミュレーションをした。

使用ソフトは「ホームズ君」である。

Ua値は0.31だがηac値が1.6と小さい。これはいつもは評価しない庇と簾を外部ブラインド並みに評価したため。

ホームズ君は2年ほど前から使用しているが、ここ一年は日本海側での設計だったので使っていなかった。この度再び複数の太平洋側気候の設計に取りかかったのでシミュレーションを行った。

まずこの建物はUa値は0.31w/m2kとなり、全館冷暖房時に年間暖房費用は1.5万円、年間冷房費用は1万円となる。細かく見ると1月の厳寒期の暖房費は0.45万/月で、8月の酷暑時の冷房費は0.35万/月である。24時間家中空調で冷房を使ってもわずか0.35万/月は驚きではある。家電製品の多い家、日射遮蔽のキチンと出来ない家はもっと電気代はかかるし、再熱除湿モードの時は倍になることもあるが、それは建て主さんの自由となり住まい方次第である。

関東の暖房期として11月~4月28日の半年間、冷房期として6月1日~9月30日の4ヶ月とした。通風期間はそれ以外のたった2ヶ月(笑)である。ただ4月はほとんど暖房はしていない事がわかるので4月は通風期間でも良いかも。

冬期床下温度25度と設定すると、1階室温概ね23度~24度推移となる。一方2階のエアコンを26度で設定すると夏期は1階、2階で概ね27度くらいである。エアコンは1階に床下用1台、2階に暖房補助の冷房メインで1台であり、各個室エアコンはないがCFを備える。このCFがないと2階の個室温度は戸閉めたときに30度を超えるが、CFがあれば戸を閉め切っても27~28度になる。流石「緑の家」オリジナル空調のCFである。

無論、個室の戸を開けていれば27度になるが、戸を閉めたくなる時(受験とか音楽を聴くとか)はあるだろう。その時はCFは小さな空調機の代わりとなる事がこのソフトでもわかるし、実際体験でも一致している。

各部屋のCFによる空気の流れを図示。冷房時の環境設計が最も難しい。

ただホームズ君は簾の日射遮蔽設定ができない。これは当たり前で国の基準にも簾の遮蔽率がないので仕方ないところ。しかし先日の「簾を科学する」で解析したとおり、簾は外部ブラインドに近い日射遮蔽をもち、使い方によっては外部ブラインドを上回る使い方も期待できるので、このソフトでは簾を外部ブラインドとして入力してある。

さて次ぎが大事であるが・・・

このシミュレーションを行って仮に窓を違うところに付けるともう少し暖房費がさがる結果になってもそれが優先ではない。家のプランは温熱以外に使い勝手、その土地にふさわしいこと、そして構造とコストが最優先で、一般的な土地の広さであれば温熱シミュレーションはあくまでも想定した環境の確認と裏付けだけであると思っている。

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