長岡の家 一発高基礎打込み 
なぜ呼び強度33N/mm2なのか?

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梅雨に入ったのに晴天の新潟県長岡市・・・。

そんな中、「緑の家」の何時も高基礎の一発打込みが行われた。

鉄筋コンクリート造での長期優良住宅の基準である水セメント比は規定値の45%以下の43.5%・・・。

生コンの配合は33-15-25という何時どおり。

巷では24-18-25や27-18-25が使用されますが、「緑の家」は2ランク以上の33-15-25・・・。これをかれこれ10年以上指定している。

この根拠は2つ・・・

生コンは時間が経たないと堅くならない。つまり家の荷重が基礎にかかる上棟時にまで所定の堅さになっていなとNGで、最悪基礎が壊れる。そこで・・・
呼び強度33N/mm2あると圧縮強度18N/ mm2には4日間(夏季)で到達し、上棟の時には(7日過ぎ)_設計基準強度の21N/mm2を超えるためOK。呼び強度27N/mm2では21N/mm2になるまで概ね8~10日間かかるのでわずかに厳しい。つまり上棟時(屋根に野地板積み上げなどして)に半分以上の荷重がかかるところもあるのでNGかも・・・出来るだけその時には21N/mm2にしたい。
実は呼び強度が高ければ概ね比例して強度上昇が見込まれるので「緑の家」は33N/mm2を使うのである。基礎工事から4週間も養生・放置したのち上棟できれば呼び強度24N/mm2の生コンでもよいかと思う。

もう一つの理由は言わずと知れた「耐久性」のアップである。コンクリート強さは21N/mm2もあれば一般的な住宅は十分で、構造計算も設計基準強度21N/mm2で行う(30N/mm2にはしない)。しかしコンクリート寿命を左右する中性化については耐久強度30N/mm2(呼び強度ではない)あれば100年見込めるが、21N/mm2であると50年程度といわれる。しかしコンクリートは諸条件(気泡、傷、酸性水、施工精度)で寿命が短くなるので3/4掛で安全率を見ると、30N/mm2で75年で21N/mm2では38年となる。この38年がいやなので「緑の家」は呼び強度33N/mm2=品質基準強度30N/mm2で考えている。これで「緑の家」の期待設計耐久60年になんとか合致するのである。呼び強度24N/mm2=品質基準強度21N/mm2では、耐久性は38年だから35年ローンが終わったと同時に寿命になる。しかし急にコンクリートが崩れる事はなく、多くはモルタルで表面を覆われレているので実際は10年くらい中性化が遅くなる(「緑の家」は打ち放しなので該当せず)ので気にしない人が殆ど。

上のような考えで「緑の家」の基礎品質を決定している。呼び強度33N/mm2のコンクリートの価格は2万/m3で呼び強度24N/mm2のコンクリート価格は1.7万/m3としたとき、「緑の家」基礎1件分は30m3であり、その差は9万の差となる。普通の低基礎なら20m3だから6万円・・・この価格をどのように建て主さんは判断するのか?

さて・・・そんな大事なコンクリートであるが今回もちょっとだけ冷や冷やした。

それは上の伝票にあるとおり、生コンがつくられたのが隣町の旧栃尾市だったから。伝表によると出発が7時45分だから練り込みは7時40分頃で、そこから打ち終わりまでの時間は規定では90分となる(気温25度以上)。となると打ち終わりは9時10分までであり今回のこの一号車の打ち終わりが9時05分だったからギリギリセーフ・・・。小さいミキサーでよかったねって感じ・・・。

このように頼む基礎屋さんによって又は当日のプラント工場の混み具合で、遠くから運ばれてくることがあるのが生コン。このあたりも気にして現場管理するのが大変。特に「緑の家」の堅いコンクリートだと打込みポンプが詰まることもある・・・。監督さんのI様には・・・お疲れ様でした。

「緑の家」では外周の型枠は矢印のように樹脂コート。夏もスチール型枠より暑くならないので良い。

今日は朝ブログを集中して打っていたので、気がついたら7時20分・・・ああーもう出ないと間に合わないとの事で、朝ご飯抜きで現場に急行。

打込み前にはM16アンカーボルト全数位置被り確認、M12アンカーボルト全数位置被り確認、型枠位置確認して8時30分となったところで打ち込みがゆっくり始まった。

この画面内だけで8人の職人さん。

矢印の槌が変っていて確かに叩きやすそう。何かサンバのリズムで叩いてほしいね~。

特に大きく無い基礎なのに、職人さんはなんと10人・・・(゜∀゜)。私達管理者を入れると12~3人・・・。
聞くと高基礎で一発打込み、しかも仕上げが打ち放しなので何時もより多く手配したとの事で、2倍の人数もいらっしゃる。上山の家は更に多人数だったが、そちらは2セットのミキサー部隊だったので・・・。
普通これだけ人がいると遊ぶ人がいるのだが、打込みを合図に口元が引き締まり皆キビキビと動いて気持ちが良い。しかも型枠タタキ専用の人が持っていた槌が素敵・・・。
さぁー叩いて気泡をできる限り排除するぞーの意気込みが感じられた。バイブを掛けた後に型枠に集まった気泡が型枠を叩くと垂直に上がり、これを何回か繰り返すと内部に気泡が溜まりにくくなる。

一台目のミキサーを見送って一時現場をあとにして、違う用事を済ませもう一度現地10時30分頃到着。

するともう8割くらい打込みが完了しており特に問題なさそう・・・。

スランプ15cmの住宅基礎用では堅い部類の生コン。

職人さんも既にペースダウンをし始めている。

後は的確な養生をすれば完璧な打込みとなる・・・。ここまではとてもよい基礎工事である。

5台目のミキサー車からは様子見の数量減少。一度打ち込みが始まり、朝のラッシュも終われば、時間はもう問題なく余裕がある。

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