今日、NHKのお昼のニュースで、
「地球温暖化が進行した場合の悪い影響」を環境省が発表した」
と30秒以上の放映がありました。
・・・どうも違和感があります。
温暖化はしているかもしれませんが、それに伴う悪い影響だけ取り上げているような内容で、良い事もあるはずなのにそれには一切触れておりません。
そこで環境省のHPに行くと
等のページを発見。
その中の、
『地球温暖化の影響・適応 情報資料集』
の全体版PDFをクリックし、P17にいくと
「気温上昇ににともなう食料分野への影響」
があり、そこには下のような気温上昇にともなう食料の収穫量の変化の図があります。
普通気温が上がれば食料生産量は増えます。これは日本を含む中、高緯度地帯の気温が上がれば当たり前ですが冬(気温が低い時期)が短くなり穀物、野菜などの生産量が増えるからです。所がこの図には低緯度の生産量が著しく下がる表現が大きく書かれており、さらにコメントにも
2から3度までの気温上昇は生産量が上がりますが、低緯度では生産量が極端に少なくなるように見て取れます。普通の人はこれだけをみて、
「やっぱり気温が上がっても食料の収穫量が下がってたいへんなのだ」
と思うでしょう。しかしこの図の直ぐ下のキャプション(赤の矢印)には
「収穫量の変化は小麦を想定」とあります。
なるほど、3大穀物の小麦・・・あれっ・・・小麦って寒い地方でも盛んに栽培されている穀物だよね。低緯度(暖かい地域)の地域でそんなに栽培されていたかな~。
とおもって調べると、
思ったとおりです。
上の図をご覧ください。小麦の大部分の生産地は中緯度から高緯度にあり、低緯度で単位面積あたり生産量は著しく低い状態というよりほぼ無いです。これなら低緯度の収穫量なんて全く気にしなくともよく、このまま温暖化が進めば3大穀物である小麦は10%も増産になります。特に低緯度は小麦よりもトウモロコシが大きい割和で収穫されております。
確かに嘘は書いておりませんが(←ここがずるがしこい)、これでは誠意のない表現方法だと思いませんか?エリート官僚よりずっと頭の悪い私でもわかる理屈を、環境省の役人がこれを自HPで紹介、都合のよいところのデータだけを切り取り説明する・・・情報操作の悪意を感じます。
もしこの図を載せるなら逆のシミュレーションである寒冷化した場合の小麦の収穫量や、他の主要穀物の米やトウモロコシも載せてほしいと思うのはおかしい事ですか・・・ね。
米なんて20年前に冷夏があり輸入米に頼った事や、近年は北海道で米の収穫量が増えたことを考えれば答えはわかりそうですね。