新潟県では耐雪量を考えた上での耐震等級でなければ意味がない。

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超高断熱高気密住宅が売りの「緑の家」ですが、それよりもっと耐雪(大切)にしている性能が耐震性です。

最近地震が多いせいか再び耐震性能に注目が集まっております。何度かこのブログでも申し上げたとおり、新潟県では耐震性を語るときに耐雪量もセットで考えないと意味がありません。

建物にかかる地震力は建物の重さに比例して大きくなりますから、軽い建物は耐震性に対しとても有利なことは、瓦屋根の家の倒壊が目立った阪神淡路大震災で多くの建築主さんが学びました。

新潟県人なら雪が如何に重いかわかります。瓦の数倍の重さになる雪の荷重が地震に関係ないと思っている人はいないと思います。

この下の表は新潟市内建築の耐震等級3の家の計算結果です。
無論OKがでて耐震等級3をクリヤーしております。
この時新潟市の設計積雪量は1mです。

上の条件で耐雪量を1.5m(長岡市での標準雪おろし住宅)とすると
耐震等級2でさえエラーでクリヤーできません↓。

つまり
耐雪1.5mの耐震等級2の家>耐雪1mの耐震等級3の家
と考えられます。

ではどこまで耐雪量を少なくすると耐震等級3で積雪1mと同じになるかというと

上の条件のように耐雪1.4mで耐震等級2でクリヤーします。
つまりこの家は

耐雪1.4mの耐震等級2の家=耐雪1mの耐震等級3の家

となるわけです。

無論、家のデザインでこのあたりが若干かわりますが、概ねこんな感じだと思います。

更に雪がない関東の積雪量0.2mとの比較をすると(地域係数1.0)
標準せん断力係数を0.25としているので耐震等級3の更に1.25強い耐震等級4(仮定)の建物になります。


多雪地域にはチェックいれ同じ条件とする。

つまり、

新潟市の耐震等級3の家=東京の耐震等級4の家

となります。

無論これは屋根が金属の軽い場合で、関東では耐風力の方が大きくなる建物形状もあるのであくまでも大凡の結果です。

ここわかるとおり耐震等級が3だから一概に同じ強さの建物とはいえず専門家でないと簡単には理解出来ないのが建物の耐震性比較です。

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コメント

  1. オーブルの浅間です。 より:

    ちーすけ様
    コメントありがとうございます。
    >とか言いつつ、自身の家の新築時には地域係数0.9は当たり前のモノと思い込み、1.0での計算を要望する事には思い至りませんでした・・・。
    申し訳ありません。「私が」そこまで思い至りませんせんでした。
    昨今の日本の状況では何時どこでも震度7クラスが来そうなそんな気配を感じます。

  2. ちーすけ より:

    雪国の建て主さんにとって、とても有益な記事ですね。
    屋根の雪が非常に重く、住宅の耐震性への重荷であることが良くわかります。
    また、この事からも雪国ではより一層のこと構造計算をすることが重要なんでしょう。構造計算では積雪を考慮して計算してもらえますが、簡易的な壁量の計算では普通の木造住宅の場合は積雪を考慮しないと聞きます。2X4では積雪の荷重を考慮した規定があるとの事なのに変な話ですね。
    そして、その構造計算をする上でですが、
    新潟県では最大震度7の中越地震、6強の(一部で7だったらしい)中越沖地震を経験しております。多雪地域であるからこそ尚更ですが、地域地震係数0.9の採用は素人的には疑問に思います。特に耐雪仕様の住宅の場合は0.9は止めて1.0を採用すべきではないでしょうか。
    とか言いつつ、自身の家の新築時には地域係数0.9は当たり前のモノと思い込み、1.0での計算を要望する事には思い至りませんでした・・・。