基礎断熱の危険性・・・ 学会論文から 

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地域性(田園部、都市部も含む)がある事を強くお伝えします。←2017年1月加筆

今日が学会の大会最終発表日。それにふさわしい論文を読者に紹介。

今日で最終日になった九州で行われている建築学会の大会ですが、その最後ふさわしい論文をご紹介します。紹介する論文は今大会の選抜論文です。

選抜論文で基礎断熱の危険性が公に

大会にはオーガナイズドセッションという時間があり、大会における学術講演の活性化を図る手段として特定のテーマを指定しそのテーマに応募した原稿の中から審査によって選ばれた論文は、特別なセッション(オーガナイズドセッション)で発表します。その発表梗概を選抜梗概と呼びます。今回のテーマの一つが戸建て住宅の環境性能全般です。

発表者は東畑建築事務所所属の小畑氏 北九州市立大学の福田先生、九州大学の尾崎先生で、上の題名どおりです。

特に赤線を引いたところ・・・

「床に通気口を有する基礎断熱住宅において居住者の行動の違いが床下湿度環境に与える影響」となっており、築年数が経過している床下内が夏期にRH(相対湿度)が95%にまで達していた事を2013年に報告した。」

つまり・・・床下内の高湿問題は学会では既に明らかになっています。

そして結びの言葉泣かせます。まるで私が書いたようなまるっきり同じ内容の結論。もう・・・共同筆者にして頂きたいと思っております(笑)。

夏季窓を開放した場合
は居室内の湿度のみならず床下空間の湿度も上昇し竣工
初年度ではない基礎断熱住宅であっても床下高湿化の可
能性があること,
空調を使用した時間帯は居室内の湿度
のみならず床下空間の湿度も大きく低下すること,窓を
開放して生活する場合と空調を使用し窓を閉め切って生
活する場合では床下湿度及び床下のカビ汚染のリスクに
大きな差が生じる
ということを明らかにした.

通風が床下のカビ危険性をアップ

通風はエコだがカビは生える

ですね。簡単に言えば、基礎断熱の家では通風で夏過ごすと床下内にカビ汚染のリスクがとても高くなるよ・・・通風はダメ!との事。本州以南の海岸平野部で且つ都市かされていなところでは当たり前のでしょう。
この発表は大変インパクトがあり、今の主流は「通風による夏期のエネルギー削減」を良しとして様々なプログラムで「通風あり」にするとエネルギーが削減されよい評価になります。この評価を決めた団体などはきっと・・・「カビ汚染は基礎断熱の家、床下暖房の家だけだろう・・・とこの論文は無視するのでしょう。だからこそ基礎断熱を採用した設計者は人のせいにせずしっかり事実を見つめる必要があります。基礎断熱で床下暖房が標準の会社の場合、「夏」に通風を薦めていればそれは設計者として勉強不足と言いきれます。

基礎断熱は諸刃の剣

夏の基礎断熱の床下は常に危険と隣り合わせの環境になります。管理が行き届かないと床下内がカビなどで綺麗ではない空間に直ぐになる事は明らかです。だからこそメンテナンスしやすい人が入れる床下が理にかなっているのです。そんな床下を20年間一度も変えずにお勧めしている「緑の家」の素晴らしさを・・・手前味噌ですが「凄い」と思います。数年後には高基礎がやり過ぎで必要無いと宣言していた考えが否定され、いつの間にか皆が基礎断熱には高基礎の家が良い・・・となっていると思います。

19年間の成果が裏付けされた

私がその時一番うれしいのは、通風しないように網戸を標準からはずし、今まだ高評価されてはおりませんが、1998年から始めた高基礎を最初から信じて選んで頂いた「緑の家」のオーナー様に胸を張れることですね。

この研究は日本学術振興会の助成を受けているので公開致します。スマホモードではなく「PC表示」モードで閲覧するとしっかり読めます(一番下に切り替えボタンあり)。ココログからワードプレスに変えたのでそのまま見られます2016/09/10修正。

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