今日は東京へ 優先は耐震性 3

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屋根の水平剛性を高める時には、その応力が2階の耐力壁に伝わるように屋根まで耐力壁を延ばす事が必要・・・との記載。

その2からの続きです。

最近巷で多くなった勾配天井の空間。

その時に小屋裏をスッキリと見せる架構法の一つに登り梁が有ります。

登り梁は、梁を水平に用いるのではなく、屋根と同じ勾配で設置します。

すると細かい部材の省略が可能となり空間がスッキリします。

巻甲の家(2016年竣工)

上の「緑の家」では外観に使っておりますが、内部に使うと束や梁などを無くしてスッキリとさせる事が可能です。

ところが「緑の家」はあまりこの登り梁を使いません。それは従来のグレー本に勾配天井時どのように運用すべきか規定がはっきり無かったためです。それが今回のグレー本から記載がある程度はっきりとされてきました。例えば冒頭の図で黄色部分が追加され、勾配天井時には通常の水平天井時にある振れ止めが設置し難いため他の何らかの方法で小屋裏の水平力伝達を考える必要があります。

つまり登り梁を設置して小屋束を省略すると、振れ止めが設けられない事があり結局小屋束を設置して小屋裏筋かいを設ける事になります。↓

https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2009/07/24/post-0/

また登り梁を設置したときに、多雪地域ではその大きな屋根鉛直荷重によりはらみ防止の水平梁の計算などより検討事項が多くなるので積極的に設置する事は行っておりませんでした。

しかし今回の記載追加により、設置規定がある程度示されたので、使いやすくなっております。

2008年竣工の「緑の家」。勾配天井と正規の筋かい。

今後は登り梁に厚物合板で詳細設計することで水平剛性の担保がしやすくなったので、採用例が再び増えてくると思われます。

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