今回のテーマは
「結露」
です。そして今回は難解な内容である・・・とその1で言っておりましたが、監修された南先生のあとがきには、
「(義務化される)2020年の手前で結露をキチンと理解して欲しい。ちょっと難しいかもしれませんが何か不安になったり、確認したくなるたびにページをめくってください」
とあります(笑)。簡単化、単純化するのが得意な南先生をもってしても「難しい」とありますから普通の人には大変難解になるでしょう。
さて、結露と言えば・・・
つい最近カーポートの屋根裏が結露するとの事で連絡を受けました。
新潟では殆ど地域で積雪が1m以上の多雪地域指定なので、アルミ既製品のカーポートは下の写真のような製品が主流で9割以上を占めております。多分新築の付属建物としては99.9%のシュアー(行政への耐雪1m以上の確認申請義務があるので)だと思います。
この平らな屋根は「折板」と呼ばれる1.2mm程度のガルバニューム鋼板を折り曲げただけのものをボルトで留めております。
つま写真の矢印部分は屋根の裏側が見えることになり、この部分が結露しました。
新潟では11月~12月、3月は、雪は降るのでが、暖かい風が吹き込むこともあり、冷たい乾いた空気と少し湿った冷たい空気が入り交じります。
軽く雪が降って次の日は暖気が入って雨になると空気の露点温度が0度以上になることが普通に起こり、その時にまだカーポート屋根に雪が載った状態であると屋根材裏で結露する事になります。
連絡があって伺ってみると、確かに屋根の裏側にびっしり水滴がついております。伺った一昨日前は数センチ積雪がありその状態で次の日に曇り模様(気温が上がった)ので雪のまだのっているガルバニューム裏面は0度、しかし空気中の露点温度は・・・
12月9日12時に急に湿った空気が流れ込み露点温度は氷点下から2度までに一瞬で上がりました。つまり雪がまだあるガルバニューム鋼板の裏では露点温度以下のほぼ0度なので簡単に結露が起こっております。このように、
「簡単に結露が起こる環境が新潟県にはあるのです。」
しかし今までカーポートに結露が起こったので何とかして欲しい
といった要望は一度も聞いた事がありませんでしたので、他の家のカーポートを調査して見ると・・・
「ありました」
結露している跡がしっかり残っております。↓
更に調べると、結露が起こることは普通にあると言って良いくらい痕跡が殆どカーポートにありましたが今まで言われなかったのは、
新潟県ではこの時期、雨や雪が普通であり、乾いているカーポート(床)がほぼ無いので、多少上から結露水が落ちてきても気にもしなかったのです。確かに車を止める目的のカーポートではそもそも大概車が濡れているので、気にすることがなかったのです。さてこの結露を防ぐには・・・原因は大気の組成の急変であり、大気を人が空調出来ませんから折板の素材を見直すか?それともこの折板に断熱材を貼り付けるか?いずれにしても巷では(新潟でも)まずお目にかかりません。どうしてらよいのか・・・。
調べると富山県ではごく薄い断熱材のついた折板のカーポートもあるそうですが、屋外露出で使う樹脂系断熱材は劣化が避けられないので、10年でボロボロになるそうです。つまり本格的な2重折板にしないと厳しそうですが、そこまでの要求がこの既製品の安価なカーポートにあるのか・・・?
さて話は再び建築技術の内容に戻ります。 その3に続く。