普段は国道8号線を通ることはなく、多分20年ぶりではないかと思われる宮本・・・。
そこに古民家を移築した江口だんご店がある。
入口は長屋門から入るところと、普通の門から入る2つの導線が良い。多分積雪時を考えての事だが何れも同じ前庭にでる。但し長屋門から入るほうが庭をとおしての正面入り口の見え方が良い。その庭の80%の立木が多少種類は違うが「もみじ」である。
実は最近「緑の家」でも「もみじ」をシンボルツリーとして多用している。
いっぽんなら大きくなる場合もあるが、株立ちなら比較的大きくなりにくいし、ちょうど良い葉ぶりと枝だの張り具合・・・無難な木で、虫もつきにくい。
訪れて一番収穫だったのがこの屋根。これは是非、まねしたい屋根の材質の組み合わせ。
これなら雪が多い地方でも瓦風の印象を与えることができる。
多雪地域では耐雪住宅といえども雪おろしをする事があり、その時にこのガルバニュームの屋根は堅い物があたって割れる事が無いので最も無難な屋根素材である。
今度和風のテイストとしてこの組み合わせが使えたら良いな~と思う。
そして感動するのが・・・この置き石とコンクリートの床。
苔むした置き石とコンクリートの相性は大変良い。「緑の家」がタイルを使わない理由もここにある。長い時間が経つとこんな感じになるからこそタイルは使わない。この苔むした状況にタイルは似合わないから。
そして写真は撮ることが出来なかったのだが、江口だんご屋さんの売り場の床が土間コンで、しかもわざと荒らされ古い表情をつくっていた。その感じがトテモ良く、これが新しい土間コンではダメなのである。このように土間コンは時間が経てば経つほど表情が豊かになるから好きである。だから上山の家の土間キッチンも時間が経つことが待ち遠しい。
私は少し勘違いしていた。土間キッチンの土間コンは構造ではないので、欠けや色むら、ちょっとの凸凹が有った方が自然である。その事を裏付けるように引き渡し時の建て主さんの一言は・・・今思い返すと的確に土間キッチンの魅力と本質を突いていた。