「緑の家」では木造軸組工法が99%を占めるが、そのうちの98%がHSS金物を採用している。そのHSS金物とコンクリートの基礎を連結させるのが、写真の黒い棒で隠されたM16アンカーボルトである。
M16アンカーボルトとは・・・
ネジを切ってある部分の直径が16mmのボルトのことである。これ一本を適正に設計・施工するとコンクリートの設計基準強度が18N/mm2以上であれば、45KNまでの瞬間引き抜き力に対応出来る。つまりM16アンカーボルトが20本あれば900KNの耐力があり、仮に引き抜き力が均等にかからずバラツキがあったと仮定し半分に耐力を減らしても450KN(≒45トン)となるので、一般的な木造住宅を逆さづりにしてもコンクリート基礎に木造躯体部分がくっついている事が可能となる。これが耐震性が適正に確保できる根拠の一つとなる。
蓮潟の家ではこのM16アンカーボルトが全部で22本(プランにより変わる)あり、耐雪2.5m耐震等級3を国が認定した家だけのことはある。このM16アンカーボルト以外にM12アンカーボルトがあるが、こちらは様々な条件はあるが平均約11KN/本の瞬間引き抜き耐力となり、60本あるので半分に減らしても330KNとなる。つまりM16とM12の合計で780KN(≒78トン)・・・。
その耐力を確保する最後の仕上げ作業がこの生コンクリートの流し込み(打込み)となる。
打込み前の最終チェックを行い打込み開始ではあるが・・・。
何時ものように打込み前の儀式として、コンクリートを打ち込むポンプ車のホース内流れをよくするために、セメントを水で溶いて故意に緩くしたペーストを最初に流しこむ。これは正規のコンクリートとは違うので、基礎内に入れないで必ず基礎外で場内処理する(持ち帰る会社もある)。
午後2時から始まった打込みは17時頃に終了した。打込みの次の日は弱い雨模様で今日も雨、気温7度以上20度以下とコンクリートにとって最高の養生条件である。
「緑の家」は10年以上前から超高断熱高気密を全棟で採用しているが、この超高断熱高気密よりも重要な基本性能がこのような耐震設計で計画された家の施工と工事監理である。その工事監理は法律で建て主さんから指名された工事監理者(浅間)が行う。←ここが最も大事である。