水滴飛びのエアコンは故障扱い

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
錆汁がアルミフィンまで色移りさせる程酷い。写真はオーナーさん提供。

これは2019年に竣工したある「緑の家」に設置されていた日立のエアコンRAS-X22Jの熱交換器の写真。たった2年と4ヶ月(冷房は3シーズン)の使用状態。

今回の情報はスローリークではなく、冷房中に水滴が室内機から風と共に落ちてくるという状況で日立さんに見て頂いたとのこと。するとこれは室内熱交換器のフィンの水との親和性が悪くて、水滴が溜まって飛ぶ状況で故障扱いとなる(冷媒回路の保証ではないので入っている保険による保証)となった。

修繕は熱交換フィンの洗浄だそうであるが、今回は新しい熱交換器に丸ごと取り替え、その上取り替え以外のドレンパンの接合パイプもある問題があったので、メーカー判断で取り替えたとのこと。このため1ヶ月程エアコンの無い状態だったらしい。もし真夏なら死活問題である。それにしてもこの錆・・・

錆と言うより腐蝕状態の支持部分。写真はオーナーさん提供。

今回の水滴飛び散りの原因ではないとのことだが、この状態ならあと一年から二年くらいで冷媒漏れに進行するような腐蝕状態と言えるのではないか。

写真はオーナーさん提供。

ここ10年以内の家庭用のエアコンは、様々な問題が出て修理しているが、熱交換器に限らず他も耐久性もない部品を使っている実感がある。以前のエアコンは10年くらい平気で故障無く可動していたとの実績や体感があるが、最近のエアコンは5年以内に壊れる確率が高い。このため、エアコンの取り外しが頻繁に行われ、それを考えた配置計画でないと、建て主さんにいらぬリスクを負わせる事になる。しかし・・・もし6年目で取り替えが必要な機器なら、家庭内で最も高い設備となりうる。仮にエアコンが15万、設置費が5万とすると、6年で20万だから年間3.3万/台。これが2台あるとすると6.6万/年の経費である。

効率重視で吹き抜けの天井付近に設置される事が多いが、無難に1階用は手の届く1階に設置、2階用は2廊下に設置がよいのだろうか。写真はオーナーさん提供。

超高断熱高気密住宅は、その時代の設備機器に頼る家となりそれが批判をあびていたが、国が力の入った省エネ推進をしているのでようやく受け入れる土壌ができている。そんな中、再び設備機器の故障多発で水を差すような事がなければ良いが・・・。

私は最近エアコンの購入時には10年延長保証(最低でも5年以上)をつけるようにしている。保証に入っていない場合は、エアコンメーカーの脅し文句である「冷媒回路の故障でなければ実費7~8万請求します」という言葉を聞きたくはないし保証に入っているだけで、サービスマンの対応もよいことが多い。しかし保証を保険と考えると壊れることを予測して入る保険では本末転倒な考え方ではないだろうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする


コメント

  1. 八石 より:

    エアコンの稼働寿命に関しては、添付されているマニュアルにも記載されている設計寿命と思われる保証稼働時間のJIS規定に対して建築業界は反論できないのではないでしょうか?
    その仕様をそのままにしておいて、エアコンの採用コストや寿命の議論をしても不毛なだけだと思います。
    以上は、H社エアコンで嫌な思いをして理解した事です。

    • Asama より:

      八石様 
      コメントありがとうございます。
      お気持ちはよくわかります。実は私は議論ではなく「啓蒙?運動」のつもりブログに掲載しております。小さな事でも積み重ね、それを見た人が更に情報を発信してくれるように広がれば、メーカー側も考え方に変化が起きてくると思います。例えば昨今の高気密高断熱住宅が普及した理由は時代背景が最も大きいでしょうが、結露が当たり前な時代に高気密高断熱住宅を薦めつくり続け、普及活動し実績をつくってきた諸先輩がいらっしゃるからだと思っております。その意味でも八石様にも大変感謝しております。

  2. とーちゃん(大津) より:

    私もメンテを考えたエアコン配置の大切さを痛感しています。
    2Fの高所に設置したので、エアコン交換時にはかなりの大作業になってしまいました。
    配管の取り出し位置、室外機の配置場所などをもっと考慮すべきでした。
    ちょっとした、位置の変更で工事の難易度が大きく変わったと思われます。

    それにしても、最近のエアコン酷いですよね。
    複数メーカーのエアコンを使ってますが、最近はダイキン一択です。
    再熱除湿が無いのが難点ですが、故障時の対応の速さはぴか一です。

    • Asama より:

      とちゃんさん
      コメントありがとうございます。
      従来なら10年以上壊れることのない家電設備と体感的に思っておりましたが、ここ6~7年のエアコン故障で振り回された事情を考えると、壊れること前提の設置位置は大事です。
      しかし・・・冷蔵庫が5年ごとに壊れ、その度に中身を全て破棄する・・・なんてことがおきていない事からエアコンの異常さには辟易します。
      一方ダイキン製を再び事務所内設備から使い始めておりますが、センサー位置が良くないことで床下エアコンには使えず、再熱除湿が無いことで冷房用には薦められない・・・。困っております。

      • とーちゃん(大津) より:

        再熱除湿の代替えとしては、除湿器との併用、もしくは暖房用エアコンを同時に使用する事でしょうか。

        • Asama より:

          全く仰せのとおりなのですが、それは絶対スマートではないですよね(汗)。
          一般の考えでは空調機も換気扇も設備は簡単、手軽が一番で面倒なことは避けたいと思っていると思います。だからスイッチONで快適な温湿度になる再熱除湿が良いと思う次第です。私はマニアックなので多少の手間はよいですが、少なくとも身の回りにはそのような考えの人が大変多いです。

  3. Asama より:

    浅間です。

    自己レスですが、ホントに水飛びが撥水性だけの理由なら熱交換器自体を変えるほどのものなのでしょうか?もしかして・・・と、少し懐疑的です。