耐力壁検査2 合板耐力壁

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今週から雨が多くなる予報にあわせ外作業用のテントが張られる。

本日、三条市大崎で建設中の三国街道の家に2度目の耐力壁検査に伺った。

火事ではなく間違いなく煙突からの煙。多分この煙は点けはじめか湿った木だろう。

現場に到着すると、懐かしい匂いに笑顔がこぼれる。

「なんだ、薪を焚いている人がご近所にいらっしゃる」とその匂いで感じ、付近を見渡すと、50m以上離れた家の屋根から立ち上る煙。間違いなく薪ストーブの煙である。風がない穏やかな日だったので、風下でもないのにその匂いは西側50m離れても感じる。実は三国街道の家でも当初薪ストーブを設置予定だったのだが、近隣周囲に煙突が見当たらないので、引っ越しして周囲の様子がはっきりわかったら設置することで設置は中止していた。近隣さんに薪ストーブがない地域で突然薪ストーブを焚くと、ほとんどの場合クレームになる。これだけ山が近いといってもやはりこの香りは慣れていないと確実に拒まれる。

明らかに風下でもなく結構離れているが、その匂いは感じる。それが怖いところ。

このような理由と薪ストーブは100万以上+薪小屋の投資になるので慎重にならざるを得ないが、これで一つ問題をクリアーしたので、あとは住んでみて・・・だろう。特に今回の土間キッチンは天井を貼らないことで、天井高3000mm以上になるので煙突も難なく横引設置できる※。
※但し薪ストーブ設置の場合は内装規定に準じる必要がある。

ピンク部分が筋交いと合板耐力壁が組み合わさったところ。開口部を減らさず高耐震性を確保する時に行う設計。

さて耐力壁だが・・・先回は筋交い中心の構造になったと申し上げたが、筋交いの一般的な最高壁倍率(この数値が比例して耐力があがる)は、4倍である。しかしこの三国街道の家では、耐雪2mで耐震等級3を長期優良住宅で取得している超高耐震の家のため、4倍の耐力壁では非力である。そこで筋交いと4倍と合板9mmの耐力壁2.5倍で合計6.5倍の高耐力壁を主に計画している。2回目の耐力壁チェックはこの筋交いと併せて設置される合板のチェックを行った。このように2度おこなわないと、先に施工された筋交いが合板で隠されチェックできないので、2回に分けて行う。

ピンク矢印先に柱が露出する真壁合板耐力壁の納まり。

実は合板でつくる耐力壁も2種類あり、合板が高騰するまでは大壁による合板耐力壁であったが、合板が高騰した今は真壁の合板耐力壁である。違いは大壁の場合、耐力壁でない部分を含め家全体を貼るような仕様で、真壁合板耐力壁は、耐力壁部分しか合板を貼ることがない。当然大壁合板耐力壁のほうが真壁より5から10倍以上多く使うのである。これでは合板が高騰したいまその分価格はあがるだろう。そこで筋交いを主とした場合は真壁合板耐力壁に使う合板は少なくてすむからコストが下がるのである。

合板耐力壁では補強をすれば中央の間柱を欠いてもOKで位置が比較的自由。

また筋交いを中心とした建物でも合板のほうが都合がいい部分がある。それがレンジフードなのでダクト位置が限定される場合である。この場合はダクトが壁を貫通することになるので、どこでも貫通できる合板の方が使い勝手がよい。上の写真では、レンジフードに接する壁でなおかつ天井抜きできないデザインの時には、合板を使う。

さらに三国街道の家では性能は高いままで価格を抑える方法として真壁耐力壁以外に添え柱という方法も採用している。

間柱なのにこんなに釘が打ち込まれる理由は・・・これが沿え柱であるから。

耐雪2mの性能となれば、柱を120角使用してさえもまだ大きさが足りないことがある。それは土台などへの柱のめり込みである。柱で最も怖い耐力不足は座屈であるが、この場合は柱を一回り大きくする方法が無難である。梁のかけ方を変え座屈がおきないようにする場合もあるが、座屈するような大きな加重と状態の時は素直な対応がよい。しかしめり込みが原因でNGとなる場合は、柱を増やすか沿え柱を設けることでもよい。今回はめり込みでNGとなる柱には、柱を増やすと開口部が小さくなるので添え柱としている。

玄関脇横の柱がめり込みでNGだったので、沿えばしらを使ってOKとした。そのためN90が250ピッチの千鳥配置で打ち込まれる。

こうすることで大きな柱を使ったコストより価格が抑えられてかつ納まりがよくなる。当然めり込む土台をさけ柱を直接基礎に設置する方法もありこれもよい方法であるが、場所による。

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