色も形も八ヶ岳の高原にふさわしい・・・
標高1300mの長野県諏訪郡原村に建設中の原村の家(UA値0.16w/m2kの超高断熱仕様)の足場外し前の検査に本日伺ってきた。
原村の家は緑に囲まれた自然が支配する地域に近いところにあり、敷地内には鹿の落とした土産まであるそんな地域であるが、外壁はありがちな木ではなくSGLである。SGLとは近年その価値が認められた金属板であるガルバニュームをさらにマグネシウム入のメッキをすることで耐食性を2割ほどアップさせた新しいガルバニュームである。よってガルバニューム特有の白い腐食痕が表面にでにくいので雨がかりでない箇所でも黒色を躊躇なくつかえる。
しかもチョイスしたSGLは目地が全くなく、カシメ跡や釘、ネジが原則表にでないフラットなスパンドレルである。このためコウモリから蜂、蜘蛛などあらゆる害虫から最も嫌われる金属系の外壁である。当初木の外壁と思っていたが、木の外壁はキツツキが穴を開けるので建て主さんの最終判断でSGLになった。氷点下10度以下での耐久性、錆びにくい、穴が開かない、蜘蛛が巣を作りにくいと・・・過酷な環境では最も無難な外壁といってもよいだろう。そしてこの美しい表情を守るために「緑の家」Aグレードの特徴である外壁を壊さないでサッシを取り替えることのできる外壁納まりがさらに無難とす。つまり20~30年後サッシの気密寿命が来たときに、外壁を壊すことなくサッシが取り替える事ができるのである。
竣工後30年時にこの同じデザインの外壁がある保証がないので、もし外壁を一部でも剥がせばツギハギの外観になるが、外壁を剥がさないで交換できればこのままSGLの寿命である40年位はそのまま外壁を維持できるのがAグレードの窓納まり。
まだ12月上旬なのにりっぱな霜柱がすでにできているのがこの原村の標高を感じさせる。そんな環境のためとにかく無難な建物をめざし仕様を決めているが、それだけでは魅力が乏しくなるので、メインの開口部はトリプルガラスでは実現できなかった大きさを真空ガラスで確保した。
気圧が低くなる標高1300mにおいて、トリプルガラスを大きい面積で使うことができず折角の外が広く感じられない。そこでトリプルガラスより二まわり大きなガラスが採用できる真空ガラスで開口部を作った。当然特注なのでフレームレスとしさらにすっきりとさせる。
薪ストーブの煙突も屋根抜きでは最も無難な基台型となる。
箱形の基台があるため雪の滑り落ちる荷重で煙突がゆがむことがなくなる。これで長期的な雨漏りにも強くさらに2階のストーブ設置の煙突垂直距離を確保してくれ、「引き」がよくなる。当然基台の上に載って煙突掃除もしやすい無難な屋根抜き方法である。