近年延長コードや電源タップの寿命が3~5年とのメーカー案内が多いが、皆さんは本当にそんな基準で買い換えを行っているのだろうか?
新築設計において私はできる限り延長コードを使用せずともよいほどコンセントの配置を行うが、実際延長コード使用しない設計はたぶん無理だと思う。しかも最近では電磁波問題からできる限りコンセントまとめようとする考えがあるとも聞いているが、コンセントをまとめるほどコンセント数は減り、確実に増える電化製品に対し延長コードを使用する可能性が高いことになるだろう。
深く考えなくとも延長コードを3年で破棄するなんてとても非経済的であるばかりでなく、最近流行の持続可能な取り組みに反するような短命性だと思う。
少し現実から乖離している延長コードや電源タップの寿命だが、その理由を明確に説明している事例を目にしない。なぜ同じコードを使っている家電製品では、3~5年で破棄してほしいなどの説明を目にしないのに、延長コード、電源タップに至っては3~5年で取り替える必要があるのだろうか。
もし延長コードは家電製品と違って何度も動かすので被覆素材や銅線の劣化が大きいのであれば、最も頻繁に折り曲げする「掃除機」のコードはどのようなことで、それが許されているのだろう。しかもプラグの頭を持って引っ張る乱暴とも思える扱いをする掃除機でも消費電力1000wを超える製品は珍しくないし、そもそも移動しながらいつも動的に使用する掃除機は、通常の延長コード以上の折り曲げ負荷がかかっている。だったらもし掃除機のコードのように作れば、10年間くらい使用できる延長コードができるはず。確かに掃除機の電源コードだけは他の家電製品と違って被覆素材が違うように思える。常に巻き取って収納したり、使用中でも折れ曲がる感じではなく、アールをえがいてとてもしなやかな感じがする。
また一般の延長コードは巻いたままの使用を禁止しているが、掃除機のコードは黄色いテープまで引き出して使う事が取説に書かれており、次の赤いテープまでは800mmの長さがJISで定められおり、正しい使い方でも800mm分は密閉された機内で巻き取って使っているので、いろいろな意味でよく分からない。とにかく10年くらい使ってもよい電源タップや延長コードが一般的になることを期待する。