名古屋の家 30cm外壁の模型完成

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2024.03緑字加筆

住宅密集地に計画される名古屋の家。このためAsグレードの家であるが庇は小さめ。

昨年暮れには基本設計が出来ていた名古屋の家であったが、当事務所のスタッフ不足で2ヶ月遅れで模型がようやくできあがった。

敷地境界からわずか50cmの離れ寸法。しかも「緑の家」Asグレードの家では壁厚300mmにもなるのでとても厳しい条件となる。

雪国に建つ「緑の家」では、雪と日照不足を最も考慮して基本設計を行うが、太平洋側では通常日射は豊富なはず。しかし住宅密集地ではいくら冬期晴れが続いても日射が入らないので家の中はやっぱり寒い。そこで「緑の家」の超断熱住宅を期待してAsグレード(等級7)でご依頼があった。

このような都市部の家の計画は、とにかく法律とのすりあわせで家の形が決まってしまう。きびしい斜線こそ無かったが、準防火地域と採光で部屋の割り振りが決まってしまう。有効な採光は前面道路側と屋根しかない。そこで無難な家では計画しないトップライトを一カ所だけ取り付ける事になった。

カーポートの屋根さえ計画できない建坪率ギリギリの家となる。エアコンの室外機も当初から見込む。

一方、敷地から50cmの離れではエアコンの室外機の置き場に困る。ともすればお隣さんから風がくるとのことで移動させられることもある。よって今回はお隣さんに配慮して境界から最も離れているところへ設置することになっている。

また屋根の出(軒の出)も極わずかになり準防火地域を考えると、外壁はSGLになるだろう。

隣地側の窓はあるが、実際はカーテンが閉まりっぱなしの窓になり、採光は望めない。

採光は前面の大きな窓から入れるので、一階はほぼワンルームのように採光計算をする。

隣に家がある時には、一階の窓は暗い事がわかる。よって奥に個室があるが、仕切りは引き違い戸としてワンルームの採光計算をする。
このように隣に家がなければ一階の敷地側の窓から光が入ることがわかるだろう。外壁の厚さ30cmを作るため3mmボード2枚を貼り合わせる。

実は2階でも奥の部屋は法律上の採光が確保できないが、この部屋はシアタールームなので用途上特に採光を計算しなくともよい用途となる。よって無難にならない無駄なトップライトでの採光は行わない。・・・とも思ったが、窓があると逆にシアタールームに見なされないので、最終的にはトップライトをつけた。

さて、「緑の家」の素晴らしいところは、超低位置から玄関戸の設置である。このため、道路から125cmしか離れていなくとも、階段がないので危なくない。

人がいるところが公道。玄関入り口から公道まで125cmしかないが、「緑の家」の得意の超低位置玄関で圧迫感、安全性共に問題ない。
道際まで家を建てる時に玄関戸と道はほぼ同じ高さが可能なため安全性が優れる。↑2007年亀田の家。

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