築130年のotomo vie cent リノベ その35 柱の取り替えと古民家リノベの方針

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新しく入れた杉の120角芯持ち柱。一応素人ながら光付けを行って丸石の上に設置した。この古びた石にホゾ穴は刻めなのでリトルコーナーをホールインアンカーで固定。

建築基準法では築造時の法律には合致しているが現法に合致していない建物を既存不適格建築物と呼んで違法建築とは区別している。今回のリノベは用途変更無しで構造材のほとんどをそのまま利用しているので、当然既存不適格建築物のままである。よって基礎コンクリートが無くても法的には問題ない。ということで、置き石の石場建て建築としてリノベしている(この石場建てのotomo vie centの耐震性については以前のブログにてその考えを表明している)。

大福のような形が綺麗な石。昔はこんな石の上に柱を置いていた。

先回のブログでは置き石の下に四角い穴が空いており深さ1mくらいまで空隙でその後数十センチの泥となっていて、この穴の原因がわからないとしたが、新たに古い束石を動かしてみると・・・

ひっくり返すと石の裏は真っ平らである。その下にあったのがこのような三角形の穴。捨て杭は木っ端で板取されることが多いのであり得ること。

やはり丸くない穴があいているではないか。そうなるともう一つの古そうな束石もそうかと思い持ち上げると、

ピンク矢印がひっくり返した束石。多分本当は柱の置き石だったはず。それを相当前に改築して壁を壊したときに置き石としていると思われる。

こちらも丸くない穴が同じようにある。

これで確信した。この解体時には束石だったのであるが、この石の古さと壁の位置、他の柱からこの普請が行われた当時までここに壁で柱が立っていたと思われる。柱を立てる前に置き石をするのであるが、盛り土(埋めたて)も同時に行っているから現在で言う地縄で柱の位置に木杭を入れたらしい。その木杭を目印にして置き石をおこない柱を立てていたのである。束石程度では目印はいらない。なぜなら束石は上棟後床を設置するときに置けば良いだけで目印はかえって邪魔になるし、80年以上前の当時に木の床が存在したかも不明である。

深い穴。

四角い穴や三角の穴は木杭の形で、それが長い年月で溶けるように腐食してなくなったのである。

なるほど、なるほど。だからいったん何ナノ?という質問はなし。私としてはこの古の施工スタイルが頭に想像できることが嬉しい。ただそれだけ。

下げ振りで垂直を確認して設置完了。この程度のジャッキアップ機械では梁がほとんど持ち上がらず短ほぞを短くしてなんとか差し込んだ。

最近は業務が混んでおり月曜日だけが休みのため、先日の月曜日午前中に柱の入れ替えを行い、午後からは廃材の玉切りをしようと電気チェーンソーを使用していると、突然ガッガッガッと言って不機嫌となる。分解すると安価なチェーンソーらしく樹脂の歯車がほとんどかけて空廻り状態。一応清掃をして組み立て直したが当然直るとこも無く、まあ10年くらい使ったのでとりあえずありがとうと言って破棄処分となった。

さてotomo vie centのリノベの方針であるが・・・

母屋は基本的にほとんどがコンクリート床になる予定。これは当初から広い土間キッチンを予定し決定していたことであり、今回地盤面水位が高いことを見てそれがこの家のリノベには最適である事を確信した。

古民家にありがちな湿気た土間は素晴らしいがカビ臭も凄い。

耐震性が問題ないなら古民家の弱点はとにかく「湿気とカビ」である。よく古民家リノベで床が腐っているので剥がして再び木の床を貼ることが行われるが、これは基本的にリノベとして間違っている。湿気問題があったならまずその湿気対策が一番最初に行われ且つ根本的に直す必要がある。これを行わないと結局10年後には湿気でカビてしまい古民家を手放すことになる。この湿気対策としては防湿土間コンクリートを全面に打ち、防湿性をあげることが最も簡単な解決策であるが、何故かそのようなリノベはあまり見ない。130年前の住まい方はこのような農家では土足がほとんどで、寝床だけが木の床だったりする事から考えて、まずはそこに戻す。次にカビにくいように土間コン下に断熱材を入れる。これで第一の問題はクリアー。そしてもし古民家を就寝する場所として利用するなら次は虫対策。とにかく気密性を上げてあらゆる虫を排除する。しかしこれが古民家リノベでは一番難しい。築年数が古い古民家が残っている条件は・・・田舎である。田舎は虫天国。特にカメムシが家の中に入り込む事は致命的。布団がカメムシくさくなったらその布団は捨てなければとおもうほど悲惨。しかしカメムシはわずかな隙間でも浸入する。80坪を超える母屋で気密性を上げることはコストを考えると不可能。よってotomo vie centでは虫対策は完全にあきらめている。つまりこの母屋では就寝しない、家中暖房しない建物とすればよい(コストさえ許せば就寝できるまで気密性をあげるリノベをする)。虫対策をあきらめれば古い意匠を残せる。つまり気密性を上げると言うことは真壁など古びた意匠性を全て捨てることになる。それを残すために就寝は、気密が比較的取りやすい築40年くらい屋根続きで隣接する建物で行うと割り切る。このようにすれば古の生活スタイルで断熱性が低いままでも古民家を活用できる。このように現況を正しく理解してフローを組めば使える後悔しない古民家の再生を行う事ができる。

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コメント

  1. Asama より:

    Mkt様
     いつもコメントありがとうございます。
    仰せのとおり「ムカデ」も書こうかと迷ったのです。わかる人なら「うん、うん」なのなのですが、「ホントにー盛っていない?」と思う人が多いと思うので止めました。
    寺泊拙宅の高気密高断熱住宅でさえ一年に一回は室内でムカデを見ますし、室内にはいなくとも玄関戸と枠の間に潜んでおり、ドアを開けると上から落ちてくる恐怖(教室の黒板消しのごとく)は毎年一回は経験しております。実際娘が学生の頃就寝中に布団にムカデが入ってきて軽く噛まれた経験もあり・・・田舎の気密性の無い古民家で寝る勇気は流石にありません。古民家再生で住宅とする場合、その点をしっかり考えないと、虫アレルギーになります。

  2. mkt より:

    温故知新というか不易流行というか、毎回とても楽しみにリノベのブログも拝見しております。広い土間キッチン、完成が楽しみです。
    確かに田舎の実家の家は虫天国です。カメムシもですが、ムカデなどもこちらでは家内に出てくるので危険です。古民家再生での割り切る考えも大切ですね。