レンジフード並の390m3/hの風呂CF。

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事務所建物2階の改修で廊下に設置された風呂CF(天井扇)。

事務所2階の水廻り部分の改装がほぼ終了した。その風呂には当然風呂CF(風呂循環ファン)が設置されているのであるが、どうせ設置するなら過去最大の風量で標準品より0Paで3倍以上の大風量(390m3/h)が出せる機種とした。

パナソニックカタログより抜粋。DCモーターの390m3/hが出せる機種

使用した機種は上のとおりであり、「急速」モードで390m3/hを15.5Wで作り出すブラシレスDCモーターの天井扇である。3段階の風量が選べるが、これは専用スイッチを使った場合で有り、私はタイマーで自動的に停止する単純な仕組みにしたいので一つの風速になる。そこで当初は「強」モードの200m3/hを計画していたのであるが、タイマースイッチ(電子式)と結線しても動かない。一方「急速」モードで結線すると正常に動くので急速モードの390m3/hを吹きこむ風呂CFとした。当初200m3/hの「強」モードにしたかった理由は静圧0Pa時には比消費電力が0.02と抜群の効率を誇るからであり、390m3/hだと0.04と倍になるからである(それでも高効率)。この0.02という比電力は静圧が低い高効率の小さなパイプファンより高く大変優秀。実用域の静圧30Pa以上でも0.05は驚異。

緑が弱モード、ピンクが強モードでオレンジが急速モード。緑とピンクは50Paまで定風量部分があるが、オレンジは全域で変風量となる。

しかしよく性能を把握すると、50Pa時の消費電力は「強」モードで11wにたいし「急速」モードで17Wでほぼ1.5倍であるが、風量も200m3/hにたいし300m3/hと1.5倍と、静圧が高いとき(10~50Pa)の効率は変わりないくらいよい性能である。CFの場合ダクトの圧損はわずかだが、長時間でこれだけの大風量時には30Pa以上はグリルで発生し、さらにフィルターの汚れによる圧損は確実に高いので、常に40Pa以上の圧損があると考えられる。となると比電力は「強」モードと「急速」モードでは変わりなくなり「急速」モードで結果オーライだった。つまり風量が増えれば早く乾くはずなので、カビ防止が目的の風呂CFは乾燥時間が早いほどよい。

さてその大風量CFの効果だが、

床は意外と水がたまるような構造(日立)。この点はTOTOの床が良いかも。
ここが乾きにくいエプロンの継ぎ合わせ部分にたまった水。

UBの使用後の状態は上のとおりで、ワイパーですき取ったり、タオルで拭いたりせずにビショビショ状態からの風呂CFのスイッチON。

CF運転タイマーは6時間でセットでON。「緑の家」ではタイマーはCF側でなく排気用換気扇側につけるが、今回は実験なのでCF換気扇にタイマーをつけ乾燥時間を調べる。

このスイッチが向いているようで、通常「照明」部分を風呂CFのスイッチとして、予備排気用換気扇をタイマー接続するとよいだろう。私は排気用換気扇はいらないので照明は照明として使う。

結果は・・・

360m3/h程度の風量が送り込まれる当事務所2階のUB。風呂CFをメカニズムを熟知すれば風呂CFだけで問題なく、排気用換気扇は設置しないでよい。

6時間タイマーでほんのわずかな一カ所(エプロンのジョイント隙間)を除いて完全に乾く。

だがしかし2時間程度ではさすがに乾いてないところが目につくし、4時間ではあと一歩の部分がのこる。このときの室内環境が室温22度でRH(相対湿度)45% 程度の環境。これは夏の室内環境である26度RH(相対湿度)50%の風量200m3/h時と変わりない印象(あくまで印象でありデーター取りしていない)。一方環境が22度でRH(相対湿度)60%で200m3/hではさらに乾くスピードが落ちる体験をしている。ここから想像するに風呂CFの風量は無理に200m3/h以上は必要なく、風量変化による乾燥時間の短縮より送り込む空気の環境(温湿度)に乾燥時間は左右されやすいようだ。つまり全館空調などで、24時間乾きやすい空気質が重要であると、当初のCFの前提条件が裏付けされたと思われる。しかし条件を揃えたデーターによる比較を行っていないので、将来訂正するかもしれないが大きく異なることはなく、風呂CFは従来から実績のある120~200m3/h程度で計画することでよいとおもわれる。

今回使用した風呂CFは下の通りの仕様である。

風圧式高気密シャッターやDCモーターなど最新仕様。パナソニック仕様書から抜粋。

この換気扇は風圧式ながら高気密シャッターがつくので逆流がほぼないこと、羽が簡単に取り外せ洗えること、フィルター付きのグリルが選べることなどメリットが多いが、電子タイマースイッチとの組み合わせ保証はないので、使用する際はご注意願いたい。また私は排気用換気扇を必要としないので、今回も風呂CFのみで排気用はないが、一般の取り付けでは排気用換気扇は予備として設けるのが無難であり、そのときの配線は下図となる。

緑の家」の風呂CFと換気扇の結線はメーカーのこの写真のタイプのスイッチを上図ように変更。

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コメント

  1. ばーやん より:

    はじめまして。
    CFファンの記事何度も見させていただいております。
    我が家でも浴室にファンの設置を考えております。

    その際に悩んだのが空気の流れる向きなんですが、浴室から排気の方が良いかな?と思っていたんです。でも記事を見させていただいたら給気する方が乾燥した風が当たって乾きやすいと理解しました。
    その中で気になったのが給気すると浴室内が正圧になると思いますが、ドアを開けていれば問題ないのですが、ドアを開けなければ上の開口を開きっぱなしにすれば問題なさそうですが。

    150m3/hの換気に対して仮に開口部が60m2程度だとしたら正圧は避けきれないと思います。多少だと気にならないのですが、圧力が高くなったときのデメリットってどんな感じなんでしょうか?
    個人的な考えだと第二種換気みたいに壁内に湿気が入るのは無さそうですが、天井点検口に湿気が流れるのでは?と思いました。

    もしくはDCファンと違い、そこまで圧力が上がらないから問題ないだろう。って感じになるでしょうか?

    なにか助言を頂けると助かります。

    • Asama より:

      ばーやん様

       コメントありがとうございます。
      >150m3/hの換気に対して仮に開口部が60m2程度だとしたら正圧は避けきれないと思います。多少だと気にならないのですが、圧力が高くなったときのデメリットってどんな感じなんでしょうか?

      そもそも戸を開けて使用するようにマニュアルQ&AのQ5でお答えしております。戸を閉めてお使いになると、最近のUBの逆止弁でまず給気されませんし、開き型の戸が開かなくなります。そして60cm2だと思って答えますが、やはり少なすぎて給気量が半分以下まで下がる機種もあるでしょう。せめて150φダクトと同じくらいの140cm2はほしいところです。